「おい、冴木どうしたんだよ。」
校舎裏で一人でいると野球部の花井が話しかけてきた。
「どうしたってなにが?」
「お前、泣いてんじゃん。」
そう。私は泣いていたのだ。
ひとりで。
昨日、両親が離婚した。
もともと喧嘩が絶えない人たちだったが、私は大好きだった。
それがバラバラになってしまった。
悲しくて仕方がなくて授業中抜け出してここにいる。
「花井こそ何してんの?授業中じゃん。」
「つまんねぇから抜けてきた。」
ウソつき。
今、花井が大好きな英語の時間じゃん。
「隣、座っていいか?」
「うん。」
花井が私の隣に腰を下ろす。
そしてわしゃわしゃと私の頭をなでる。
「あまりため込むなよ。」
「うん。」
「オレでよければいつでも話、聞くから。」
「うん。」
花井の言葉に涙があふれてきた。
花井の隣にいると何だか安心する。
不安な事とか苦しいこととかあるけどそんな感情が和らぐ気がする。
「じゃ、オレもう行くわ。」
花井がそう言って立ち上がったとき、私は花井のシャツの裾をきゅっとつかんだ。
「もう少しそばにいて。」
「……おぅ。」
そしてまた彼は私のそばに腰を下ろして泣き止むまでそばにいてくれた。





レンゲ貴方がいれば私の苦しみは和らぐ





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う〜ん
これ、花井か?


回遊魚

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