公園にてブランコを立ち乗りで漕ぐ。
行ったり来たり。
短いスカートをヒラヒラさせながら。
見えようが見えまいが関係ありません。
現在午後7時。
あたりは暗くて、誰もいないからね。
「ポンポンポポンポ〜ン。」
意味わからない歌を歌っても恥ずかしくない。
まだかなー。まだかなー。
ブランコをこぎながら愛しいあの人のことを考える。
今日も練習頑張ってくるんだろーなぁ。
えらいえらい。
月がきれいだなぁー。
良い夜だ。
早く来い早く来い。
「あ、来た!!!」
私はグッと膝を曲げて力いっぱいブランコをこいで、跳んだ。
「じゅっんたーーーーっ!!!!」
「は!?え!?うおっ!!!!!」
ザンッ!!!と愛しい彼、高瀬準太の前に着地。
決まった………
「お疲れ様!!!」
「壱、お前どこから飛んできた?」
「ブランコ。」
私が使っていたブランコは可哀想なほどギッタンガチャガチャ鳴っている。
それはもう、壊れそうなほどに。
「ブランコからって、軽く10mあるぞ!?」
「えへへ。」
「褒めてないから!!危ないだろ!?」
「大丈夫、大丈夫。運動神経だけはいいから。」
準太はあからさまにデカいため息をついた。
「あんま、ひやひやさせんな。」
「あ、うん。ごめん。」
「謝る気ないだろ!!。」
「ばれた?」
「表情が変わってねぇからだよ!!」
「まぁ、いいじゃないか。」
あ、呆れた顔された。
ん〜。
ぷに。
準太のほっぺたを指でつついた。
「帰ろうず。」
「帰ろうずって………どこの人だよ。」 
「えへへ。」
私は準太に手を伸ばした。
彼はそっとそれを手に取った。
「準太の手ぇあったかい。」
「走ってきたからな。」
「そっかぁ。」
私のために急いでくれたのかな。
準太のそう言うところ好きだな。
「あ、壱、」
「ん?」
「さっきパンツ見えてたぞ。」
「………。」
準太ってそう言うとこしっかり見てるよね。
ムッツリっていうかなんというか………
まぁ、でも
「いずれ見るんだからいいんじゃない?」
「な、な、なななな!!!!!」
「あはははははははは!!準太真っ赤!!いっやらしーの!!」
「うっせ!!!」
あぁ、なんという幸せ。
こんな会話をずっと続けていたい。
なぁんて思いながら、準太の手をギュッと握った。
「んだよ。」
「へへへ、なんでもない。」










-------------------------


回遊魚


back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -