「ねぇ、いつまで泣いてんのさぁ〜。」
放課後の部室棟の廊下で仲沢利央はわたしと背中合わせに座り泣いていた。
「だって慎吾さんがぁぁあああ!!!」
「泣くな喚くな静かにしろ。」
「うぅ。」
今日、体育の授業が終わった後島崎先輩にハーフパンツを脱がされたとか何とか。
部室棟にいた私の顔を見るや否や泣き出したのである。
これでも男か!!
と思うくらいに利央はよく泣く。
しかも、定位置であるかのように私の背中で。
たしか、今年の夏、初戦で敗退してしまった時も私の背中で泣いてたっけ。
なんなんだか……。
とりあえず、島崎先輩も幼稚なことするよなぁ。
「男だから別に恥ずかしくないでしょ?」
「恥ずかしいよ!!だって、パンツも少し持ってかれたんだよ!!」
「あぁー……。」
返せる言葉がないというかなんというか。
「まぁ、とりあえず、利央あんた男でしょ?泣くな。」
いいかげん背中重い。そう付け足してグイッと押し返した。
「じゃあ、壱がどけばいいじゃん。」
まぁ!!生意気な事おっしゃいますねこの人!!
自分から来たくせにさ!!
壱〜!!
って。
「でも、壱って絶対そうしないよね。オレが落ち着くまでそばにいてくれる。」
利央はそう言って立ち上がり、私の目の前にしゃがんだ。
「ねぇ、なんで?」
………。
なんでって、ねぇ。
そりゃ、好きだからでしょ。





泣き虫ライオン





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回遊魚


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