付き合い始めて早3か月。
オレ達はキスはおろか、手さえもつないでない。
しかも、なんだかんだ互いに部活が忙しいだのなんだのでデートも、一緒に帰ることさえもあまりない。
こんなんで付き合ってるといえるのだろーか!!
なんか、オレだけが好きみたいなんだよなー……
壱の態度そっけないし、いつまでたってもオレのこと苗字呼びだし。
壱ってオレのことホントに好きなのか?
「………み、……ずみ、泉ぃぃぃぃぃいいいいい!!!!」
「うおっ!!!!壱か!!」
「さっきから何回呼ばせるんだー!!」
うがーと壱は吠えている。
うん。
男らしい。
女の子だけどね。
「で、どうかしたのか?」
「今日って泉、部活休み?」
「あ、まぁ。テスト1週間前だし。」
「じゃあさ、生物おせーて。」
「へ?」
「だ、か、ら、生物!!この前のテストひどくってさぁ、このままだとレギュラー入れねぇって監督がうるさくってさ……。」
ほのかに壱の顔が赤いのは気のせいだろうか。
「あーなるほどな。バレー部の監督厳しそうだもんな。」
「厳しいなんてもんじゃないよ!!あれは人間の皮をかぶった鬼だね。」
「そこまでゆーか?」
「言いますよ。あ、教えてくれるってことでいいんだよね?じゃあ、放課後図書室の前に集合ね。」
そう言って彼女は自分のクラスに帰っていった。






そしてあっという間に放課後。






「泉、遅い。」
図書室の扉の前で壱は仁王立ちして待っていた。
その姿がなんとまぁ似合うこと。
「わりぃわりぃ。」
「絶対、悪いとか思ってないでしょー。」
そう言いながら壱は図書室の扉を開けた。
そこに広がる光景は、
ひと、ヒト、人、HITO!!
どこをどう見まわしても座れる場所なんてない。
「あぁ、まじか……。」
がっくりとうなだれた壱から明らかに落胆の色が見える。
「そんなに、勉強したかったのか?」
「あ、いや、えっと、ま、まぁ。」
顔を真っ赤にしながら短い真黒な髪をくるくるいじる壱はとてつもなく可愛かった。
いつもが男勝りっつーか、つんけんしてるからたまに見せるこーゆーのがたまんねぇーんだよなぁ。
「じゃあ、オレん家来る?」
「へ?」
「あ、いや、イヤならいーけど……。」
「行ってもいいの?」
「当たり前だろ。」
「じゃあ、行く。」






そして、あっという間に泉の部屋。





「そこらへんテキトーに座って。」
「ほーい。」
「じゃあ、まず1時間くらいやるか。わかんねぇとこあったら言えよー。」
「おー。」
つーか!!
家の連れて来たはいいけど、親とか買い物に行ってていねぇーし!!
何この状況!!
心臓がうるせえ!!
2人っきりとか!!
手を繋いだこともないオレにとったら未知の世界だっつーの!!
お花畑か!!(混乱のため頭が少々おかしくなっております)
っんだよこれ!!
なんもしてねぇのに顔がすっげあちぃー。
あーーーーーだぁーーーーーーもーーーーーー!!!!
襲っちまいてえ!!(本心)
「ねぇ、泉。」
「うおぁあ!!」
いきなり壱が声をかけてくるもんだから驚きのあまり変な声を出してしまった。
「……やっぱ、なんでもない。」
そう言って壱はまたカリカリと問題に取り組んでしまった。
「……。」
カリカリ。
「……。」
カリカリ。
「……。」
コトン。
「ん?わかんねぇとこでもあったのか?」
チラと壱の方を見たら顔を真っ赤にした可愛い生物がいた。
「な、あ、え?どうし……」
「泉のがうつった!!」
「はぁ!?」
「だって、さっきっから泉真っ赤なんだもん!!さっきまで全然ヘーキだったのに!!あー、もう!!」
恥ずかしい!!
壱はそう叫んで顔を両手で覆い隠してしまった。
いつもはそっけない態度で、あまり表情にはださねぇーのに。
ンだよこれ!!
「壱、顔見せて。」
「ヤダ!!」
「いーから。」
そう言ってオレは壱の両手に手を掛けた。
その両手は思いのほか簡単に取ることができた。
「すっげー可愛い。」
「な、に言って……」
「いつもそっけないから、そうゆ―表情新鮮。」
「うっ……。」
壱は俺から視線をそらし、ノートを見つめた。
「なぁ、なんでそっけなくすんの?」
「……泉、を、直視すると、真っ赤になっちゃうから。」
「は?」
「泉に告白されて、OKしたのはいいんだけど、妙に意識しちゃって直視できないってゆーか。」
もじもじと髪をいじりながら壱は話し出す。
「だけど、そんなんじゃだめだよなぁーとか思ったりなんだりしちゃって、勇気だして勉強に誘ってみたけどやっぱ意識しちゃうし、」
なにこいつ!!
可愛すぎるんだけど!!
「どうすればいい?」
なんて、こ首かしげて潤ませた瞳をこっちに向けられて言われたらもう、やばい。
「……とりあえず、キスしていい?」
「はぁ!?今このタイミングで!?」
「いい?」
「………そうゆうのは聞かないでよ……。」
OKとみた!!
オレはそっと壱の頬に手を添えた。
すると彼女の瞳は閉じられた。
だんだんと互いの顔が近くなる。
触れ合うまで残り3p。
2、1……





うつるんです





--------------------------
ぐっだぐだですねww
ようするにスランプなんです。


回遊魚


back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -