「仲沢くん!!」
「わぁ!!」
昼休み、お弁当を食べ終わり、ボーっとしていると、いきなり後ろから呼ばれて思わず変な声を出してしまった。
恥ずかしい。
「あ、なんか、ごめんね。」
そうやって謝ってきたのはクラスメイトの冴木さん。
「いやいや、大丈夫。どうかしたの?」
「あのね、数学の課題プリント出してないの仲沢君だけなんだって。ってゆうのを伝えてって先生に言われたの。」
「げっ!!まじ!?」
「うん。」
やばい!!
まったくやってないっ!!
「もしかしてその顔、まったく手を付けてない感じ?」
「はい。しかも、数学まったくわからないってゆう……」
冴木さんがクスクスと笑ってるのが聞こえる。
「よかったら手伝ってあげましょうか?」
「ホント!?」
冴木さんが女神に見えるっ!!
「うん。」
「ありがう〜!!」
冴木さんはオレの前の席に座った。
「じゃあ、プリント出して。」
「うん。」
オレは机の中から課題プリントを取り出し、机の上に広げた。
「見事になんにもやってないね……。」
「スミマセン。」
「じゃあ、1問目からやろう。シャーペン貸して。」
「あ、はい。」
オレはペンケースをあさり、シャーペンを冴木さんに手渡した。
「この問題はね、」
そう言って冴木さんは左手で髪を耳に掛けた。
その時、ふわりとシャンプーの香りが鼻をくすぐった。
「まず、xとyの座標を求めて……」
もう、自分の心臓の音で冴木さんの声は聞こえない。
なんだこれ……
熱の全てが顔に集中していく。
今にも心臓は爆発しそうだ。
人ってこんなにも簡単に恋に落ちるものなのか!!
「ねぇ、仲沢くん、聞いてる?」
そう、上目づかいで聞いてくる彼女を見て、またいっそうに心臓がうるさくなる。
もう集中できそうにない。
君のことが好きになりました。





数式の答え





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回遊魚





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