「ねぇ、水谷……」
「うん?どうかしたの」
水谷はふにゃらぁっとした笑顔でこっちを見た。
あぁ、癒されるぅ……
じゃなくって、
「文化祭でさぁコスプレ喫茶やるじゃん?」
「うん。」
「私、何着ればいいのかなぁと思いまして。」
「あぁ。」
そう言って水谷は悩むようなポーズをとった。
「水谷は何のコスをするの?」
「オレ?オレはねぇ、なんか他の高校の制服着るんだってぇ。」
「だってぇってなによ。」
「実行委員に言われたんだぁ。」
ふぅん、と適当に返してそんなのもありなのかと思う。
「壱はねぇ、ナース服とか、巫女さんとかぁ、ネコ耳とかにあうと思う。」
人差し指を立てながら言う水谷を私は少し殴りたくなった。
「なんでそんな変態のお気に入りみたいなシリーズに挑戦しなきゃいけないのよ。」
「えぇー、じゃあ浴衣とか?っつか、浴衣がいい!!」
「着るのめんどくさい。」
なんか、こう、楽なのないのか?
あ、あるじゃん
「セーラー服にしよ。」
「えぇー壱−オレの意見はぁー?」
「却下で。」
スパンと私が言い切ると水谷が残念そうに
「壱の浴衣姿見たかったなぁ……。」
なんて言うから、
「うっ……」
迷うじゃないか!!
「壱の浴衣姿可愛いと思ったのになぁ……」
す、すごい残念そうにしてる。
………忙しくて水谷とお祭りとか行けなかったもんなぁ。
終いにはためいきまでつかれた。
「ゆ、かたにする。」
私がそう言ったら、水谷はパァアと笑顔になり
「ホント!?」
と私に確認してきた。
「う、うん。」
私がうなずくと
「絶対可愛いと思うよ〜」
なんて言った。
その時、私は水谷が下で小さくガッツポーズをしているのが見えた。
そんなに、見たかったのか。
「浴衣姿で文化祭デートしよーね!!」
「うん。」
しゃーない、水谷のために浴衣着るか!!





めんどくさいけど、





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回遊魚


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