ツンツン。
ん?
ツンツン。
なんかつつかれてる?
ツンツン。
今、授業中だし。
後ろ向くと先生に注意されるしほっとこ。
ツンツン。
無視、無視。
ツンツン。
ツンツン。
ツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツン。
し、つ、こ、い!!!
私はバッと振り向いて
「たーじーまー!!さっきからなんなの!?」
なんて少しばかり怒ったような口調で小さな声で囁いた。
すると田島は嬉しそうにニカッと笑って、
「お、やっと振り向いた!!」
と言った。
「先生に注意されたらどうしてくれんのよ!!この先生、注意した生徒には必ず課題を出すんだからねっ!!」
「ばれなきゃいいんだろー。でさあ、冴木。」
「なによ。」
「消しゴム持ってない?」
「持ってるけど。」
「じゃあ、貸して。」
「しょうがないわねぇ。」
そう言って私は一度前を向いてペンケースをあさり、消しゴムを取り出した。
そして先生の目をうかがいながらまた後ろを向いた。
「はい。」
私が消しゴムを差し出した。
「サンキュ!!」
そう言って田島はなぜか私の手ごと消しゴムを握った。
「ちょ、離してよ。」
「いいじゃん、いいじゃん。」
なんて言ってまた田島はニカッと笑った。
何なのよそう思いながらほっておいたら
「じゃ、借りるなー。」
そう言って手を離された。
離された手には消しゴムの代わりに4っつに折りたたまれた紙が手の中にあった。
(なにこれ。)
そう思いながら前を向いて紙を開いた。
私はそこに書いてあった文字に言葉を失った。





『好き』





「うっそぉ!!」
私は勢いよく立ち上がり田島の方を向いた。
田島は驚いたような顔をした後、
「冴木……」
そう言って、私の後ろの方を指さした。
「冴木さん、田島君。今なんの時間か知ってるのかね?」
あ、やばっ。
私は恐る恐る前を向いた。
「オレもぉ!?」
「あとで職員室まで来なさい。」
「………はぁーい。」
そう言った後先生は戻っていった。
私はそれを見て座った。
「田島のせいだかんね。」
「ごめん!」
そう言った後田島は、あっ、と何かを思い出したように声を発した。
「なによ。」
「返事はいつでもいいからよ。」
ニカッと田島は笑った。
返事なんて決まってるわよ!!
私は前を向いて返事を書くべくノートのはじをちぎってペンを取り出した。
そしてペンを走らせる。
そこの書いた言葉を田島に渡した。
すると後ろから
「よっしゃぁぁぁぁあああああ!!」
なんて歓喜の声が上がった。
授業が終わってから職員室でのお説教はご想像にお任せします。





私も好き





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回遊魚


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