オレが外の自販機で飲み物を買っていいると、
「お母さん!!助けてっ!!」
なんて叫びながら冴木が俺に向かって走ってきた。
「いつからオレはお前のお母さんになったんだよ!!」
「と、ととととととりあえず助けてっ!!」
そう言って涙目で抱きついてくる。
か、かわいい………
じゃなくて!!
「離れろ!!」
オレは冴木の頭を鷲掴みして体からはがした。
「あ、あああああ阿部に追われてるのぉぉぉおお!!このままじゃ殺されるぅぅぅぅううう!!」
まだ死にたくないぃと絶叫しながら頭を抱えだす。
「お前何したんだよ。」
「え?阿部の着替え写真売ってたの見つかっちゃった。」
てへ、なんて可愛く言ってのけるが結構すごいことしてんぞ?
てかいつそんなの撮ったんだよ。
「ちなみに野球部全員分私のメモリには入っている。」
なんて胸を張りながら言っている。
つか、こいつ今なんて言った?
全員分?
てことは……
「オレのも持ってるってことか!?」
「もちろん!!」
こ、こいつ……
オレは携帯を取り出しメール画面を出す。
「お、お母さん?何をしていらっしゃるのか?」
「だから、お母さんじゃねぇっての。」
「で、何をして………」
「冴木――――!!!!そっから動くんじゃねぇぞ!!」
「はっ!!阿部!!!!」
3階の窓から阿部がこっちを見ている。
「捕まえとくから早く来い!!」
「はっ!!花井、裏切ったな!!このユダめ!!ちきしょー!!!!」
逃げようとする冴木の腕を掴む。
「逃がすわけねぇだろ!!」
「ひでぇよ!!」
「どっちがだよ!!オレらの写真……しかも着替えのを売ってる奴の方がひでぇだろ!!」
「オレらって、花井のは売ってないよー!!だから離してぇー!!殺されるー!!」
「オレのは売ってないってどうゆうことだよ!!」
需要がないってことか!?
それはそれで悲しい……
「だって、だってほかの人に見せるのとかもったいないじゃないかぁ!!!」
「は?」
もったいないってどうゆうことだよ?
「あ、離れた!!よし逃げるぞ!!」
「冴木てめぇ、逃げんじゃねぇ!!」
オレは知らないうちに冴木の腕を離していたようだ。
「阿部降りてくんのはえぇんだよ!!だがしかし!!お前ごときの脚で陸部エースの私に追いつけるかな!?」
ははははは、と笑いながら冴木は俺から離れていく。
「花井てめぇ、ちゃんと捕まえとけよ!!」
「わ、わりぃ。」
「つか、どうした?顔、真っ赤だぞ。」
「は?え?ウソ、まじ?」
どうりで顔周辺が熱いわけだ。
「なんかあったのか?」
「冴木が……冴木がオレの写真は売ってないって………。」
「はぁ?なんでだよ。」
「もったいないからって。」
「なにそれ、あいつお前のこと好きなの?」
「え!?」
「阿部のバーカ!!」
遠くから冴木声が聞こえる。
「あいつぶっ殺す。」
そう言って阿部は走って行った。
てか、冴木ってオレのこと好きなの?
なんだよこれ、なんだよ………
顔がにやけるのが嫌でもわかる。
俺ってもしかして冴木のことが好きなのか?
なんて思ったら顔が火を出せそうなほど熱くなった。
そうか、オレ、冴木のこと好きなのか……
オレはその場にしゃがみ込む。
次、会ったらどんな顔すればいいんだよ……
ぜってぇ、ぎこちなくなっちまうって……
うわぁぁぁ
でも、冴木がオレのこと好きって確定してるわけじゃねぇよな。
阿部の憶測だし。
自惚れねぇように気を付けよう……
なんだろう、意識しだしてからなんかこう、キュウッとするってゆうかなんというか、
「……これが恋か。」











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お着替え写真とか……ヒロイン最低ですね^^;
あ、最低なのは私の発想か……


回遊魚


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