「なぁ、壱。」
「んあ?」
「お前、今、自分がどこに寝てるかわかってるの?」
「ベット。」
今日は壱が家に来ている。
オレ以外の家族はみんな外出している。
なんておいしいシチュエーション!!
「お前、オレが男だってわかってんの?」
「じゃなきゃ付き合わないでしょ。」
ごもっとも。
じゃなくて、
「そんなとこに寝てっと、オレ何するかわかんねぇーぞ!!」
「はぁ?何言ってんの!?」
「だーかーらー!!こうゆうこと!!」
そう言ってオレは壱を組み敷く。
壱は驚いて目を見開く。
驚いた顔も可愛いなんて思っちゃうオレはかなり壱にぞっこんなわけだ。
「どゆこと?」
こいつは鈍感なんだろうか……
それともバカなんだろうか……
「襲うぞってこと。」
「あぁ!!」
「あぁ!!ってお前なぁ……女であることを自覚してくれ。」
「ダイジョブ、ダイジョブ。自覚はしているさ。じゃなきゃ準太と付き合わないしキスもしない。」
はぁ、大きめのため息がこぼれる。
こいつって、こいつって……
「それに、準太はいきなり襲うだなんてことしないでしょ?」
「へ?」
「本能のままに動くこともありますが?」
「でも、私がイヤって言えばやめてくれたでしょ?」
この話はオレが前壱を押し倒した時のだろう。
「だから、準太は私の嫌がることはしないでしょ?」
そんなこと言われたら手が出せないじゃないか!!
てか、
「お前、オレとヤるのイヤなのかよ!!」
「そうじゃない!!そうじゃないって!!今はちょっと怖いだけ。」
なんて、赤らめた顔で言うもんだから、オレは何も言えなくなってしまった。
うぁぁぁ!!
なんだそれ!
反則だろ!!
可愛すぎる!!
オレはパタンと壱の上に倒れこむ。
「じゅ、準太!?」
「もう、お前、ズルい。」
「はぁ!?」
「いつもは大雑把で男勝りで口も悪いのに、」
「悪かったわね!!」
「なんでこんな時に可愛いんだよ。」
「うっ………!!!」
「おぉ〜真っ赤。」
ケラケラと笑いながらオレが言えば、
「うっさい!!」
そう言ってオレを押しのけてくる。
「壱。」
「あ゛?」
「好きだよ。」
「和さんの方が好きなくせに。」
「あぁ〜そうかも。」
なんて言えば、
「ホント準太って野球好きだよね。ま、私は2番目でいいけど。」
なんて返す。
「なんで?」
「だって、私がこの世で1番準太を愛してる自信があるから。それだけで幸せ。それに、大切な人が頑張ってるものは全力で応援したいじゃん?」
「なっ……!!」
「ま、和さん引退してからも和さん1番だったら別れてやる。」
ニコッと笑いながら話す壱だけども目が笑ってない。
「大丈夫。好きなのは和さんだけど、愛してるのは壱だけだから。」
「ホントかなぁ。」
なんて言いながらクスクス壱は笑う。
壱の顔を見るとちょうど目が合いう。
まるで瞳に吸い寄せられるかのように、互いの顔が近くなる。
そして、唇が重なる。
「なぁ、壱。」
「ん?」
「ホントにダメ?」
壱の胸に右手を添えながら言うと、例の眼元が笑ってない笑顔で
「ダメ。ヤったら別れる。」
「すみませんでした。」
どうやらまた、とうぶんおあずけの様です。





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まぁ、よくわからないのはいつものこと!!
これ誰な状態だけど気にしない!!


回遊魚


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