「お前を絶対に甲子園に連れてくから、オレと付き合え。」
榛名に放課後呼び出され行った屋上で、開口一番に言われたセリフがこの断る余地を与えない告白。
言った本人は顔を真っ赤にしてあっちを見たりそっちを見たり。
そわそわしていてなんだか落ち着かない。
まぁ、私はアホのようにポカンと口を開けているのではたから見たら告白のシーンだとは思わないだろう。
「っ〜!!冴木!!なんか答えろよ!!いいのか!?ダメなのか!?」
「いいよ、いいんだけど、」
「けどなんだよ。」
「それって、甲子園に連れてってもらえなかったら別れてもいいってこと?」
「ダメだ!!」
「じゃあ、絶対に連れてってください。」
そんな感じでおよそ1年前交際が始まったわけだ。


帰り道、星に照らされながら私たちは並んで歩く。
「ねぇ、元希。」
「あぁ?」
「元希って私のこと好きなの?」
「はぁ!?」
あ、顔真っ赤だ。
「だってさぁ、元希に好きだとか何とか言われたことないからさぁ。」
「壱だってそうだろ。」
「あれ?そうだっけ?」
そう言えば言ったことないかも。
「元希。」
「あ?」
「好きだよ。」
「……!!」
さらに赤くなっちゃってまぁ。
かぁわいい奴め。
「絶対甲子園に連れてってね。」
「おぅ。」
「じゃなきゃ別れるから。」
私は元希の手をきゅっと握る。
「壱。」
「ん?」
元希は立ち止まり、私の正面に立つ。
「好きだ。」
「知ってる。」
私がニッと笑うと元希も笑う。
そしてだんだんと元希の顔が近づいてきて唇が触れる。
「来年、頑張ってね。」
「おう。」
「私、元希と別れたくないからさ。」





約束





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榛名に命令口調で告白されたらたまらない。


回遊魚


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