「あのー、榛名？」
「……。」
「無視？」
二人きりの帰り道、私は彼氏である榛名にかれこれ10分近く声をかけているのだがことごとくシカトされている。
これじゃあ一人で帰ってんのと変わんないじゃん!!
なんて心の中だ叫んでも榛名には聞こえないわけで……
「はぁ……。」
そりゃぁ大きなため息もでますよ。
榛名が部活無いからって久しぶりに二人で帰れるってすごい楽しみにしてたのにさぁ。
私、怒らせるようなことした!?
あぁ、もうっ!!
私が一人で頭抱えながらぶつくさ言ってると榛名は歩みを止めた。
「おまえさぁ、俺がなんでイラついてんのかわかんないの？」
「へ？うん。全然。全く。心当たりがなさ過ぎて困る。」
なんて正直に言ったら、
「ったぁ!!」
頭を殴られた。
軽くだよ。軽く。榛名の中での軽く。私の中では重く。
グーで殴られた。
「なんで殴るのよ!!」
「お前がバカだからだろ!!」
「榛名には言われたくないよ!!」
「うっせ!!つか、お前ホントにわかんねぇの!?」
「わ・か・ら・な・い!!」
私がない胸を張って答えたらもう一発殴られた。
そしてあからさまにため息をつかれた。
「おまえ、秋丸のことなんて呼んでる？」
「？恭平。」
「俺のことは？」
「榛名。」
「それ。」
「は？どれ？」
いや、もうホント意味わかんね。
「だーーーーー!!だ・か・ら!!!なんで秋丸は名前呼びで俺は苗字なんだよ!!」
あー。なるほど。
「榛名だって私のこと名前で呼ばないじゃない。」
「あ？」
「いつも、おまえとか、おい、じゃないのさ。」
「でも、彼氏の俺が呼ばれてねぇのに秋丸なんぞが呼ばれてんのは腹が立つ。」
ガキかこいつは。
「元希。」
「あ？」
「これで満足？」
「な、は？」
榛名もとい元希の顔がほんのり赤くなる。
「だから、満足かって聞いてんの。」
「いや、満足ってか、…………もう一回。」
「元希。」
「満足です。」
「あ、そう。」
単純だな。こいつ。
「あ、でも。」
「ん？」
「俺以外の奴、名前呼びすんな。」
「はぁ？」
「特に秋丸。」
「無理無理無理!!恭平とは幼馴染なんだよ!?今更苗字呼びとか逆に恥ずかしいし!!」
「壱、俺に反抗していいのか？」
あ、犯される。
「………精進します。」
「あと、俺以外の男と話すな、触るな。」
「無茶言うなよぉ。」
「お前は俺だけ見てればいいんだよ。」
なんちゅう独裁発言。
まぁ、こんなところが好きなんだけどね。





私の独裁者




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強制終了^^;
ヒロインは秋丸を人として見ていません。
という設定があったんだけど活かせなかった((+_+))
しかも名前変換一回しかないってゆう……



回遊魚

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