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愛妻家の朝食


※夫婦設定。年齢捏造。


なまえはとても仕事人間だ。俺も一応仕事はしているが、帰りはいつもなまえの方が遅い。だから基本的に家事は俺が担当している。別に嫌いじゃないから構わない。というか、むしろ毎日俺のご飯を美味しそうに食べてくれるなまえの顔を見るのが幸せだ。

朝食を食べてから仕事に行って、俺の作ったお弁当を昼食にし、帰ってきたらなまえがすぐに食べられるように夕食の準備をする。それが俺の幸福な時間である。おいしいね、となまえが言えば、とっておきの隠し味があるからな、と返すのがお決まりとなってきた。

なまえは仕事付き合いで時々外食をしてくる。正直に言うと心配なので早く帰ってきてほしい。帰りが遅くなるのであれば必ず連絡を入れろとは言ってあるが、気を遣って連絡してこない日もある。ただ、外食に行った次の日は必ずと言っていいほど体調を崩すので、控えろと最近は言ってある。そう言ってもなまえは仕事付き合いだからね、と笑ってごまかすだけだ。俺は心配してんだよ。

そんなある日のことだった。今日はなまえが外食に出かけると連絡してをくれていた日だったので俺もいつもよりのんびりしていた。最近裁縫をやってなかったことを思い出し、裁縫道具を取り出そうとした時である。

ドタン、バタンと玄関から音がしたため、なまえが帰ってきたのだと気付いたのだが、とても帰りが早い。外食に出かけるときはいつも遅いはずなのに。心なしか顔色が悪いなまえに、おい、大丈夫か、と声をかけると何か少し気持ち悪くなっちゃって…。と返してきた。聞くと最近外食に行くたびに、その場で気分が悪くなるらしい。これからは控えようかな、と苦笑いを浮かべながらなまえは言った。
とりあえず空きっ腹で寝るのも良くないと判断したので、すぐにお粥を用意してなまえに与えた。

「ありがとう。紅郎さん。何だか元気になってきた。やっぱり紅郎さんのご飯が一番身体に合うのかな。」
「とっておきの隠し味があるからな。とりあえず今日は早く寝て体調良くなれよ。」

頭を撫でる。恥ずかしそうに微笑むなまえ。明日も美味しいものを作ってやろう。





ああ、にやけが止まらない。