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おまけ☆ほとんど喋らなかったけど、ちゃんと彼らもいたんです、な会話。
永倉「おいおい、聞いたかよ。香耶の奴、魔性の女だな」
藤堂「総司に土方さんに山南さん、それと風間だろ?」
斎藤「何? 副長までとは聞いていないぞ」
藤堂「にぶいなあ一君」
千鶴「もうひとりここにいますよ!」
南雲「馬鹿。俺を指差すなよ!」
永倉「これで五人か」
斎藤「いや、まだいる。奴が」
藤堂「あー、あいつな」
永倉「まだいたか?」
南雲「俺もわかった」
千鶴「え!? 薫までわかるってことは、結構露骨なひとなんだ」
南雲「露骨って…」
藤堂「まぁ…露骨かな」
永倉「わっかんねぇ! 降参だ、教えてくれ」
藤堂「よっしゃ! じゃあ、せーので言うぜ!」
斎藤「………」
南雲「………」
藤堂「せーの!」
「「「ゼロ」」」
千鶴「あ……忘れてました。ゼロさんのこと」
南雲「それ、あいつの前で言ってみろよ」
藤堂「ぜってーいじけるよな」
永倉「これで香耶に想いを寄せる男が六人になったってわけだ」
斎藤「香耶は六人もいないからな……裂くわけにもいかんし」
藤堂「裂くって……怖ぇこと言うなよ!」
千鶴「香耶さんもゼロさんも、無事に帰ってきてくれるといいんですけど…」
藤堂「だよな……」
「「「………」」」
永倉「だあああ辛気臭え! 明るい話題はねえのか、明るい話題は!」
藤堂「新八っつぁんが最初に話を振ったんじゃん」
斎藤「そういえば、甲州での戦が済んだら総司が香耶と祝言を挙げると言っていたな」
千鶴「祝言! おめでたいじゃないですか(チラッ)」
南雲「おい。俺の顔色をうかがうな」
永倉「まーまー。祝言といえば宴会……酒だな!」
藤堂「新八っつぁんは気楽でいーよ。総司の奴、戦場でも意地でも祝言を挙げる、みてえなこと言ってたけど、肝心の香耶がいねえんじゃ挙げようがねえよな」
千鶴「大丈夫でしょうか……」
斎藤「総司がこのくらいのことでくじけるような繊細な神経を持ち合わせているとは思えんが」
千鶴「遠まわしにけなしてませんか、それ」
南雲「まぁ、沖田の心配はいらないだろうけど……我慢させたしわ寄せがいく方が心配だな」
永倉「しわ寄せが行くほう……って、香耶のことか?」
藤堂「だよなぁ。総司のことだから敵陣のど真ん中で香耶のこと押し倒したり」
斎藤「総司のことだから香耶をどこかに監禁するかもしれん」
永倉「総司のことだから『孕むまで逃がさないよ』とか言ってな」
南雲「沖田のことだから香耶を死ぬまで飼い殺しだ」
千鶴「まっ待ってください! もうちょっと沖田さんを信用してあげましょうよ!!」
おしまい☆
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