隣の席の小喬ちゃん




隣の席の小喬ちゃんはとっても可愛い、でも、何処か幼い所があって目が離せない。この間もパンダの落書きをしていた所を先生に見つかってしかられはしなかったが、苦笑いされていた。小喬ちゃんには大喬ちゃんっていうお姉ちゃんが居て、彼女も見たことがあるが、黒髪が美しく見た目も幼い美人さんだった。小喬ちゃんとは性格が真逆なのかたまに一緒に居る所を見かけるが、小喬ちゃんが騒いでいる所を大喬ちゃんが宥めている所を見かける。大喬ちゃんは大人しいのだ。小喬ちゃんは太陽みたいなら大喬ちゃんは月と言った具合だ。そんな小喬ちゃんには想い人が居て、周瑜君という、女子なら全員知っているんじゃないかなってくらい、格好いい人が想い人なのだ。



小喬ちゃんは凄く可愛いから、きっと成就すると思うのだが、何故か私に相談を持ちかけるばかりで、一向に告白する気配を見せない。今日も隣の席だから、席をくっ付けながらお弁当をつつきながら周瑜君について話す。「ほんっとー、格好いいよね!わかる?!今日も数学の時、難しいの当てられたのに、スラスラ解いちゃって、そんけーしちゃうっ!周瑜様!」「うんうん、そうだねー。あの問題応用だったしね」そうなのだ。周瑜君とも実は同じクラスなのだ。だから、彼女の熱は益々上がっていくばかりで冷める気配はない。加熱していく。「それからさー……!」まだまだ続くのであろう、周瑜君の良い所。格好いい所。



実の所、私は小喬ちゃんが好きだ。同性だけど。この時点で勝ち目ないし、小喬ちゃんは周瑜君という格好いい人がいるし、付き合えば美男美女でお似合いだから、諦める為にも早く二人にはくっ付いてほしいのだが「ねぇ!聞いている?」「あ、ごめん。ボーっとしていた」そういうとプリプリ怒りながら、頬を膨らませた。私は慌てて再度謝って頬をつついた。「ごめんってば、」「もう!」「周瑜君がそんなに好きなら早く告白すればいいのに。小喬ちゃん可愛いし、とってもお似合いだと思うんだけどな?」「えーっ?!」何故か凄く驚かれた。椅子から転げ落ちるんじゃないかというくらいの驚きようだった。



「それは無いよぉ!」小喬ちゃんが何故か否定してきた。何でだろう?美男美女でお似合いだと思うのに。と考えていたら、小喬ちゃんが答えてくれた。「周瑜様は憧れなんだよ!あたしのね!」憧れ……え、恋じゃなくて?と固まる思考回路はコードが絡まったかのようにぐしゃぐしゃになった。ずっと小喬ちゃんは、周瑜君が好きなんだと思っていたからこれには驚かずにはいられなかった。小喬ちゃんの先程の驚きとは違って、私は固まるという静かで変化に乏しい驚き方だったが、小喬ちゃんがケラケラその様子を見て笑ったのを見て、冷静に成ることに成功した。冷静を取り戻した私は「恋じゃなかったんだ」っていうと「うん」と答えた。



「あたしがね、ドキドキしてずーっと一緒に居たいって思う相手はね、他に居るんだ」「え?!誰?」教えて教えてとせがんでみれば小喬ちゃんは女の子の顔をして、困ったように眉根を寄せた。「言っても引かない?ずっと居てくれる?」え、若しかして、先生とか禁断の恋だったりする?やばい、聞いていいのかな?と思っていたら耳元に内緒話をするように手を添えて「名前が好き」と言った。そして、産み落とされた新たな感情(愛しい)に私は揺らがされたのだった。


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