××でありますように



隼総君は最低だし、西野空君は若干ヤンデレ。


僕は下衆野郎なのかもしれないなぁ。ぼんやり、うまく働かない思考回路で(といっても授業中だって仕事を放棄するし、眠っているし)思った。だって、周りは隼総と名前の恋がうまくいけばいいねって応援しているのにさ、僕ってば全然そんなこと思っていないの。寧ろ、失恋しちゃえばいいのになぁー、なんて思っちゃっている始末だったりぃ?だってさ、失恋したらさ、僕にもチャンスが少し廻ってくるわけじゃん?今の状態ってさ、隼総が名前の愛を一身に受けて独占している状態だよ?僕っておこぼれも貰えないの。酷いよねぇ……。あんな、プリンスの何処がいいのさ。おかまじゃん。



ずるいずるいずるい、どうして、名前の愛を一人で独占するわけさ。僕、隼総より、名前のこと好きだしぃ、絶対にあんな傲慢で酷い態度を取る隼総より幸せにさせる自信あるしぃ?どうして、隼総なんだろう、フィフスセクターの時代はもう終わったよ。殆どの女子もフィフスセクターと言う飾りが無くなった瞬間に興味が無くなったじゃん。名前もそろそろ目が醒めてもいいんだよ。お休みの時間が長すぎるよ、名前。僕が抱き起してあげるから、その目をしっかりと開けて僕だけを見ていてよ。



目を逸らさないでね、僕、フィフスセクター解散後は結構頑張っているんだから。あの荒んでいたサッカーの時間を取り戻そうって頑張っているんだから、たまには僕を見てよ。ほら、この技、この間習得したばっかりなんだ。名前…………まだ、隼総を見ているんだね。隼総が居なかったら僕を見てくれたのかなぁ……面白くなくなって僕は、力一杯、ボールを蹴りつけた。凄い音を立てて、それはゴールネットに突き刺さって、暫く動き回っていたが、動かなくなった。



綺麗ごとだけじゃ生きていけないんだよ、僕らってさ。綺麗ごとだけで生きていけたらいいな、って思っていた時もあるんだよぉ?ほら、恋って基本的には綺麗でいい物とされるじゃん?でもさぁ、行きすぎると、別の物に化けちゃうんだよねぇ……。例えば、その子が見ている男に対して憎しみを抱いたりさぁ。隼総は僕の友達だよぉ。でもねぇ、絶対に譲れないものって存在すると思うんだぁ……例えばさ、美味しい食べ物とかなら共有してもいいなって思うけどさ、好きな女の子は共有できないよ。しかも、隼総自身はさ、興味無いんでしょう?



じゃあさ、もう振っちゃってよ。盛大にね!もう名前が立ち直れない!ってくらいに、ガッツリと酷い事を沢山言ってほしいんだ。その時に出来る大きな風穴を塞ぐのが僕の役目なんだからさぁ。喜多と星降は相変わらずに、名前の恋が早く実ればいいなぁ、って言うから名前は恋する乙女の顔でさ、幸せそうに、うん、隼総君に告白して来るって。……、もうさっさと振られて来いよぉ。



あり得ないよ、なんで、うまく行っちゃうわけ?隼総に後から聞いたらさ、やっぱり好きではないんだって。でも、恋人は居た方がいいだろう?って、僕は知っている、隼総の恋人のサイクルは超早いしさぁ、きっと恋人は何人もいるであろうってこと。だったら僕に譲ってよ!僕は友達を……隼総を初めて殴りつけた。グーでその頬を思いっきり。「隼総の馬鹿ぁ!!名前の気持ちを知っていてそんなことするのかよぉ!」僕は名前が好きなんだよ、もう皆不幸に成ればいいんだよ!この話は皆不幸で終わりましたってさ!どうして、こんな作られたように酷い現実が生まれるの?隼総が挑発的な瞳で僕を見ている「お前、名前が好きなのか。じゃあ、余計に手放してやらねぇよ。人が欲しい物って欲しくなるよな」あれと同じ。って本当、隼総、さいてーだよ……、殺意すら沸いてくる、ねえ、名前。名前が好きな男ってあんな野郎なんだよぉ、知っていたぁ?僕は知っていたよぉ。ねぇ、名前知っているぅ?僕はこんなに名前が好きなんだよぉ……。

title Mr.RUSSO

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