唐揚げは弁当の定番!



続編というか、なんというか。


いつの間にか名前と部活のメンバーが知り合いになってしまった。つまり、可愛い後輩兼(自称)恋人と言う立場が危うくなってきたわけで、僕としてはとても心穏やかでいられない。特に隼総と喜多!何あれ!星降は、顔は兎も角中身があんまり可愛げがないからいいけど、喜多とかは礼儀正しいから年上の名前に敬語をちゃんと使うし。それが名前……とても、気に入ってしまったようで僕としては非常に面白くないわけで。「喜多くーん!」「!あ、名前さん」ほら、見ろよ。喜多なんてさん付けているとはいえ、もう名前呼びなんだよぉ?信じられない。隼総がちらりと僕の方を見た後にニィと紫色に彩られた唇を持ち上げて僕の名前に近づいた。底意地の悪い笑顔だよ、全く。こんなの笑顔とは言えないよ。



「よぉ!名前先輩」何、そのわざとらしい先輩呼びは。僕になんか一度も先輩とか言ったことも無ければそんな態度取ったことも無い癖に、わざとらしいんだよぉ!あー、もう!!喜多はわからないけど、隼総は絶対にわざとだぁ……!目の前でこれ隼総の親戚かな?と唐揚げを食べたこと未だに根に持っているのかなぁ……。うじうじしやがって、性格ねじ曲がっているなぁ……。プリンスは本当どうしようもなくお子ちゃまなんだからぁ。「お、隼総君。ああ、宵一と違って素直な子たちだ……」「ちょっとぉ、名前〜。一番可愛い後輩の僕を差し置いてぇ、どうかしているよぉ〜」「……かわ、いい?」「西野空先輩、冗談は顔だけにしてください。よしてください」
ニッコリ笑う隼総。先輩と言われてぞわぞわした。露出した腕が粟立っているのに気が付いた。敬語も何も使わない上に、偉そうなのにこういう時だけ……!大体冗談だと思いたいのは、おかまみたいな隼総のほうだってぇ。



「名前の前でだけ可愛い子ぶるのやめてくれるぅ?気持ち悪いなぁ!名前も騙されないでよぉ!こいつ普段こんなんじゃないんだよぉ!もっと忌々しいんだよぉ」「……え〜?俺はいつもこんなんですよ名前せーんぱい」名前を見上げながら可愛い後輩の仮面をつけた隼総。これが演技だと見抜けない名前は、騙されている。現に名前はあの時と同じようにうっとりした表情を見せている。「……ぼ、僕と隼総なら僕を信じるよねぇ?名前……?」「ごめん、宵一」ごめん、という言葉に愕然とした。舌打ちをしたあとに喜多に同意を求めようと視線を喜多の方に向けると喜多は苦笑するだけでノーコメント。なんだよ。腹立つなぁ!使えないキャプテンだよ!本当に!



大体なんで名前は彼氏の言葉を信じないのぉ?!ん?……あ、そういえば、あの日のコメントまだ貰っていない!……てことは、僕はまだ可愛い後輩のままなのか。キスまでした仲なのに。隼総がパクパクと口を動かした。いわゆる、口パク。それでも言いたいことがなんなのかわかってしまった。「お前、名前のこと好きなんだろ」目が、僕を見下しているように見えた。あー!やっぱりわざとだ、もうあんな奴唐揚げにでもなっちゃえばいいんだ!僕の明日のお弁当は唐揚げ弁当に決まりだよ。そういえば、隼は雀たちの仲間らしいよ?まったく、雀の仲間の分際で生意気だよ!

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