虹の尻尾を捕まえた!



黄名子→夢主。気味に一方的に押されている


そりゃぁーさ、黄名子と一緒に居られたらきっと毎日楽しいんだろうなー。とは思うけれども……だからといって、これは別問題なきがしてならない。友人と恋人と言うのは同時に務まる役柄ではない。はっきり言ってそこには埋められない溝が確かに存在してその溝を乗り越えるのは中々男女であっても困難な時がある。「うちと付き合おうよ!絶対退屈させないやんね!」それなのに、簡単にその溝を埋めようとニコニコと邪気のない笑顔を私に振り向ける。私は思わず後ろに後ずさった。まさか、黄名子が同性愛者だったとは流石の私も思って居なかったわけで。多少(?)ベタベタしてくるなー。とは逢った当初から思っていたけどさ……まだ女子の中ではそういう擬似的な事する子も居たし別にいう程変じゃなかった。……別にそういう人々に偏見はないけれど、友達だと思っていた人物からこれはどうかと思うし何より、友達からどうやってそういう関係になるのか私には検討も付かない。



「うちねー、名前とやりたいこととか沢山あるんね。まずは駅前のパフェを一緒に食べたいしー、あ、お泊りもしたいやんね!でねー」これからしたいことリストなんてものを書かせたら随分と長くなりそうだ。作文用紙何枚に成るのかわかったものじゃない。そして、この語りも長くなりそうだからそろそろ口をふさいでしまいたい。あ、勿論手で。口とかじゃないよ。「ちゃんと聞いているんね〜?!」「……ごめん。色々と考え事を」素直に白状すると、黄名子は怒っていた表情を崩した。「わかった!うちのこと考えていたやんね!」なんという、ポジティブ……その思考回路嫌いじゃない。



「……」「何も言わないってことはあたりやんね?うちはねー、毎日考えているよ。名前のこと!これってさ、やっぱり名前が特別だからだと思うやんね!」ハキハキと有りのままに、本音をぶつけてくるから黄名子。黄名子は嘘をつかない。本当真っ直ぐだ。まぁ、それはよくも悪くもある。あまり黄名子はオブラートに包まないから。時々、もう少し空気みたいのを読んだ方がいいというか、言わない方がいいと思う時もあるけど基本的に邪気が無いので許されてしまうのだ。それってちょっと羨ましい。私はそこまで純粋ではないから。勿論、黄名子は本当に言ってはいけないことはわきまえている。「その辺の本当か嘘かわからない人間よりうちといるほうがいいって!」黄名子が言うと何処か説得力がある気がしてきた。だって、本当に楽しそうだなって思えるんだもの。これってちょっと魔法みたい。「んー、じゃぁ……とりあえず一週間お試しで」そう言った途端に、黄名子の顔がパァッと輝いて人目も憚らず私に思いっきりタックルと言う名の抱きしめ攻撃にあうのだった。


「わぁーい!絶対絶対大事にするやんねえ!」

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