がんばれ!毒島君!



実はそれいけ!毒島君!と設定が同じ


「この世界の多くは超次元だけども、兼真の髪の毛も超次元だね」「また、急に」俺の好きな子はよく意味不明な事を言って俺を惑わしてくる。今日は俺の髪形に触れた。因みに前回は俺の苗字を散々からかってくれた、挙句の果てに俺の苗字は毒々しいとの評価を得た。磯崎達は面倒くさいしもう嫌だななんて思うことも一度や二度レベルじゃないんだけどもう、その辺については諦めつつある。人生諦めと、妥協が必要だ。その諦めと妥協が中々難しいのだけど、これ以上突っ込んで話していくと哲学とかに成りそうなのでやめておく。「そうだ、兼真の誕生日には白髪染めをプレゼントしよう、苦労しているんだね」やめろ、その憐憫の瞳。「ちげぇから!これファッションだから!」俺のアイディンティティを否定されても困る。髪の毛を覆いながら、大体それなら磯崎の野郎にもプレゼントしてやれよ。あいつなんか部分白髪だぜ、若いのにご苦労なこった。って言ってやった。



それをいったら、名前も怯んだ。名前を撃退する主なワードは磯崎に成りつつあるのだが、磯崎の野郎はどういうことか名前に思いを寄せているという謎の状況だ。やめてくれよ、マジで。「あ、兼真、白髪あるよ!抜いてあげるね」優しさを見せているようにこの台詞回しは見えるのだけど、よくよく考えればというか、本人からすれば「やっぱり全部抜こうとしているんじゃねぇか!ふざけるな!俺の毛根死滅させる気か!」となる。やはり全部抜こうとしていたらしい名前が俺の髪の毛を束にして掴んでいた。末恐ろしい女だぜ、本当に。いや、好きなんだけど!好きなんだけどさ!悔しいけれどそこが曲がらない。



「お前も染めればいいだろうー。皆、カラフリーなんだからお前も怒られないって!俺は地毛だけど!」「本当に地毛なん?!磯崎君には変な事をくれぐれも言わない様に、お願いいたします。死んでしまいます!」「死にゃしねーって」俺は磯崎の野郎の思いを知っているので大丈夫だと断言できるのだが、名前は怖くて仕方がないと言ったところだった。大体俺の物だしな。うん。「ていうか、磯崎君は本当に苦労しているんじゃないかなと思うんだけど、その辺はどうなの?夜桜ちゃんは嫌いじゃないけど……よく磯崎君怒鳴っているじゃん」名前が光良の事でも思い出したのかそう言って指摘した。確かに磯崎と篠山は一番迷惑を被っている気がするのだが、光良の奴は光良の奴で考えがあるような雰囲気はある。「まあな、」「だから、あんなに白髪が……残酷だね」「まあ、なぁ……。でもそれ言ったら、篠山の奴は光良がストレスじゃないという事に成るぞ」あの鮮やかなグリーンの中にきらりと光る白いものは見当たらないし。磯崎の方が短気だから、イライラすることも多いのだろうなと自分を納得させた。



「それもそうか……篠山君は穏やかだからねー」光良のしでかすことも大体、苦笑したりしながら窘めているのを見かける。俺?俺は嫌だよ、介入したくない。シードの連中の意見や方針には従うけど、面倒事まで持ち込まれちゃ敵わない。磯崎達も可哀想っちゃ可哀想だけども、それ以上の感情を持ち出すことも無い。一応、友達でもあるけれども。これとそれとは別っていうか。恋愛ごとまで譲る気にはなれないっていうか、そもそも彼女なんだよな。こんなんでもれっきとした。略奪されて溜まるか畜生。



「誕生日の件は別の物がいいなぁ、」「例えば?白髪染めとか?」「白髪染めからいい加減離れろ馬鹿!」名前と居ると本当にぼけられないというか、突っ込みに回る事が多い気がするんだけど絶対気のせいじゃないよな。ていうか、完全に名前がボケボケなのがいけないんだし。「どうせなら、名前をくれよ、白髪染めよりも捗るぜ。ストレス解消にもなるしな」「ばっかじゃないのー」なんで素の反応なんだよ。


戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -