漫画



!飛び降り

二次元、それは平面。絵や薄っぺらい世界だ。僕らは三次元の世界の住人。二次元の世界の名前に触れることは不可能だ。それでも、僕はどうしても名前に会いたくて気が狂いそうだった。だって、僕は世界中の誰よりも名前を愛しているのだから。他のオタクたちよりも愛しているという自信だってある。だから、必死で僕は名前にあえる方法を考えていた。



毎日毎日、考えて僕はやっとその方法を思いついたのだ。「……そうだ。平面になればいいんじゃないか」とても簡単なことだ。そう、マンションの屋上から飛び降りれば僕もきっと二次元にいけるはずだ。きっと、そこに名前はいる。善は急げ、だ。僕はマンションの螺旋階段を必死に駆け上った。体力が無い僕はすぐに、足を休め、休憩を取る。情けないけれど、これが僕だ。やっと、屋上についた頃にはすっかり汗だくだった。「はぁ、はぁ……名前……今、いくからっ……」途切れ途切れの言葉は風に溶けた。僕はフェンスに足をかけて、反対側までいった。少し苦労したけれど、ゴールはもう目前だ。僕の名前がきっと向こうで僕を待っているに違いない。



なんだか、いつだかテレビで見たドラマのようだと思った。(まぁ、僕には止めてくれる人なんていないけれどね)自嘲気味に笑った後に、僕は靴を脱いで後ろ向きに飛んだ。全てがスローモーションのように、涙が溢れて、モザイクがかかったように、全ての景色が歪んでゆく。僕の上空を大きな鳥が嘲笑うかのように飛んでいた。鳥の種類なんて、僕にはわからないや……。



「も〜えくんっ!ずっとずっと、待っていたんだよ!」僕の隣から、名前の嬉しそう声がした、気がした。「え?」僕が驚き隣にいる子を確かめようとした。だけど、僕がその姿を確かめるよりも早く無機質で冷たいコンクリートが僕の頭を叩きつけるのがはやかっt……


グシャッ……

戻る

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -