アンジェロ



本当にこの子は天使だと思う。腕に収まるくらいに小さな、その子は私の腕の中で大人しく全体重を預けている。ふわふわの綺麗な金色の髪の毛。あと小さな純白の羽根なんてのが背中に生えていればもう天使としか思えないだろうな。うん、完璧天使だ。それも飛び切り可愛らしい天使だな。どこぞの偉そうなのとは違う。



「あー、本当アンジェロ可愛いよ、お持ち帰りしてしまいたい!」犯罪思考、とよく一部の人に言われるのだがこの可愛さに勝てるという女性がいるのならば私は逆に逢ってみたいなと思う。世の女性と言うのは可愛いものには弱い。「僕を?」キョトンと、顔をこちらに向けて首を少しだけ傾けた。「うん。アンジェロ可愛いから、ずっとこうしていたいの」少しだけ抱きしめていた腕に力を込めた。こんなに小さくて可愛いのに、あの凄まじいサッカーをやっているというのだから、驚きだ。最初それを聞いたとき、私は嘘なのではないのか、と疑ってしまったくらいだ。まぁ……それも直ぐに本当のことだったと思い知らされるわけだが……。見た目だけならば非力で、か弱く見えるのに……。ああ、怪我だけはして欲しくはないものだ。



「ふぅーん。ねぇ、楽しい?」「うん、とっても」可愛い子を愛でているのに、楽しくないわけがない。アンジェロはパタパタと足を少しだけ揺らしていた。「本当、可愛いよ」それにしても、今日だけで何度、可愛いという単語を口にしただろうか。…今度から回数を数えてみよう。そうしよう。「……他の人に言われるとあんまり嬉しくないんだけど、名前からだから、僕はちょっと嬉しいよ」それに、名前の腕はとっても安心するしね!そういって笑ったやっぱり、アンジェロは可愛くって天使だった。

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