平良



!平良は出ていません、部灰との会話です

今日が日直だなんて、もうすっかりさっぱり忘れていて黒板を見てようやく今日自分が日直だったことを理解したのだった。私の名前の隣には今隣の席に居る部灰君の名前。まぁ、別段仲が悪いわけでもないし、教科書忘れたときは見せてくれるし優しいと思う。これをいったら平良が怒る気がするけど。まぁ、いいや。



「ねぇ、部灰君さっきの授業のプリント職員室に運ばな……」「あぁ……それ?平良がやっていたよ?」私が言い終わる前に部灰君が遮るように言う。その言葉はにわかに信じがたい言葉だった。部灰君が無理やりやらせたとは思えないし。なんで、平良が自ら進んでそんな嫌なことをやるかが理解できなかった。「意味わからない、って顔しているね……?」ふふ、と柔らかい笑みを浮かべる。嫌な感じはまるでしない。「平良、俺がやるから、日直代わってってさ。だから、代わってあげただけだよ」「ごめん……聞いても理解できない。取りあえず部灰君のせいじゃないのはわかった」い、いっておくけど私のIQは平均なんだからねっ……!「俺も平良のあの嫉妬深さはそんなに理解できないよ」あれには、困ったものだよ。と苦笑を浮かべた。あぁ、部灰君、絶対平良のせいで苦労しているんだ、違いない。



「多分、大方俺と名前が一緒だったのが嫌だったんだろう?俺と名前が席、隣になったときも煩かったし」くじ引きだから仕方ないのに……。思い出すだけでも疲れるよ、と額に手を当てた。もう、本当にごめんね……私が直接被害を与えているわけじゃないけど謝らなければいけないと思った。「まぁ、俺は仕事がなくなったから楽でいいんだけどね」「そういってくれると助かるわ……」視線を部灰君から、黒板に向けると日直の部分が、苗字、平良に変わっていた。奴の字だと一目見てわかった。あぁ、もう呆れた。

戻る

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -