平良



今日、返ってきたテストの結果は本当に最悪だった。過去最低記録を記録してしまった。クラスで一番馬鹿だとは思いたくない。今日はたまたまだ、そうに決まっている。そう思っていないとやっていられない。こんな点数を親に見せよう物なら、半殺しにされるだろう。隠すしかない!……このテストはなかった。そういうことにしよう。



「浮かない顔して、どうした?」貞が心配そうに先程先生に返されたであろうテストの紙を片手に帰って来た。どうせ、私より点数高いんだろうな……ああ、なんか切ない。もうどうにでもなれ、とテストを貞に見せながら半ばやけになる。「見て、ほら九十一点!私は天才かもしれない……!」開き直ったように笑顔を見せると貞が絶句していた。周りの子たちはがやがやと勝手に「ダメだった〜」等喋っていて、私たちの会話なんて耳に入っていないらしい。「じゅ……十九点…………」暫くの沈黙の後に貞が本当の点数を言って、固まっていた。そこはノリで「凄いな!お前天才だな!」って言うところじゃないのか。ノリの悪い奴だな!



「先生のミスだと思う。多分九十一点って書きたかったんだ、そうに決まっている」現実から逃げていたら貞が私を現実に戻すようにまた「十九点……」と呟いた。このやろう!私を現実に戻すんじゃない!「で、お前何処の高校に行きたいんだっけ?」「○○高校……」渋々、覇気のなくなった声で、控えめに言う。こいつ私が何処に行きたいかなんて知っていて言ってくるなんて……本当に底意地が悪い。性格歪んでいるね。そんなんだから、友達から男の嫉妬は醜いとか言われるんだ!貞が「今の点数だと、厳しいだろう」と言い出した。そんなの本人が一番よく、知っていることだ。



「俺と同じところ行きたいなら、頑張れよ」私の額を指先で小突き、耳元で「今日、俺のうちで勉強教えてやるから、来いよ」と囁いた。「俺だって、お前と同じところに行きたいんだからさ」急に気恥ずかしくなって言葉を詰まらせていたら、貞が笑って頭をポン、と軽く叩いた。頭はまずいよ!脳細胞が死んじゃうよ!馬鹿になったら責任取ってよね!

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