三途



!前回の三途さんの続き物



店のドアをくぐりぬけると、冷たい空気が俺らの体をすり抜けていった。俺はこのいかにもな、人工的風が苦手だったりする。お腹、壊しそうだ。目標のアイスのエリアに足を進めると、アイスを物色する。名前はポケットから、財布を取り出して中身を確認している。若しかして、小遣い前だったりするのか?そんな考えが頭をよぎると、俺の中に悪戯心が芽生え始める。俺、性格悪い。「名前、俺、これにする」大きめの箱に入っている、六個入りのアイスを取り出して俺が言った。某ハーゲ○ダッ○!うん、いい値段だ。俺だったら絶対、買わないな。今そんな金もないし。まあ、うまいんだけどな。たまに奮発して食べることはある。



「おまっ……?!は、箱?!奢るとはいったけど、箱はないでしょ!」名前は本気であせっているのか、目を泳がせている。自分で奢るといったせいだろうか。「……冗談だ」ククッと喉のほうで笑うと、ひんやりとした箱を元の位置に戻す。「い、今の冗談、笑えないよ!目がマジだったじゃん!」「そうか?俺だって、冗談くらい言うよ」目がマジだったとか言われても目の前に鏡なんてないし、俺にはわからない。そんなこといわれても俺は困ってしまう。大体、お前の態度が面白かったから、からかいたくなっただけだ。「箱とか食べきれないでしょ……」呆れたような、複雑な表情を浮かべながら名前が言う。「まあな。食えないな、腹壊す」それから、俺があらかじめ選んでおいた、抹茶のアイスを手にとって閉めた。「これにする」「抹茶?さすが、渋いな」「なんだよ、何か文句あるのか?」いや、というとそれを受け取ってレジに向かっていった。



戻ってきた名前が俺に袋に入ったアイスを押し付けた。気持ちいいくらいの笑顔をつけて。「また、宿題よろしくね!」……、俺はめられた?全然懲りている様子が見受けられない、名前にため息をつきながらアイスを頬張った。

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