無敵



私には年の離れた弟が一人いる。まだ、小学低学年で私になついていてとても可愛い。まだまだ、子供っぽくて日曜日にやる人気爆発している、戦隊ヒーローが大好きらしくて。よく日曜日はテレビを独占している。別に見たいものがあるわけではないので、私は微笑ましくそんな弟を見ている。兎に角、目に入れても痛くないくらい可愛い。ブラコン?上等だよ。



よく友達なんかと公園で、ごっこ遊びをしているのを知っている。先程、夕ご飯の支度をしている母親に「もう、夕方だから、迎えにいってきて」といわれたので私がこの間買ったばかりの靴を履いて、例の公園に向かった。やっぱり、そこには数名のちびっ子と弟の姿……それから、彼の姿があった。いつも弟と遊んでくれる、心優しい中学生なのだ。私は弟の服を見るなり顔を顰めた。また、こんなにドロだらけにして。お母さんに怒られてしまうじゃないか。「もう、帰るよ。お母さん、呼んでいたから」弟にそういうと、弟はまだ遊び足りないのか口を尖らせた。やっぱり、まだ幼い。遊んでいるときが一番楽しいのはわかる。無邪気なものだ。「うー……わかったぁ。帰るよ。じゃあ、お兄ちゃん。僕もう、帰るね」私に向けていた顔を彼に向けると彼は、笑顔を作って手を振った。「おう、また遊ぼうな」「いつも、遊んでくれて有難うね」



英雄君にお礼を言うと、英雄君は照れたように頬を少しだけ高潮させて「いえ、とんでもない」といって視線を地面に落とした。彼も弟と同じ特撮ヒーローが好きらしい。この間はなしたときに、そういっていた。詳しくはわからないけれど、英雄君はキラキラとした瞳で語っていた。本当にそういうのが好きなんだなぁ、と少しだけ微笑ましく思った。「兄ちゃん〜、今度は僕にも主役やらせてくれよぉ!敵役飽きた〜」弟がむくれながらそういうと英雄君が焦ったようにあたふたとしていた。その光景がなんだか暖かくて私は苦笑いを零した。

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