漫画



ありえない!!彼女の悲鳴が聞こえた。僕は作業を中断して、彼女のほうに振り返る。少しだけ墨のついた手を拭った。彼女はゲーマーだ。重度のゲーム中毒で、芸夢とも仲がいい。よく、僕の近くでゲームの貸し借りや、攻略……あと、通信対戦なんかしている。たまに、彼の家にも遊びに行くそうだ。僕がいながら、何て羨ましいんだ。ちょっと(?)妬ける……。僕はそこまでゲームがうまくないからそんなこと出来ないし……原稿に追われたりでそこまで構ってあげられないからそれを咎めたり、束縛したりはしない。そんなことしたら可哀想過ぎる……。



「どうしたんだい……?悲鳴なんかあげて」「死にかけたから逃げようとしたんだけど……相手一匹なのにしかし、まわりをかこまれた!って、でて逃げられなかった」と涙目になりながら、がっくりと項垂れている。なるほど、死んだんだね。今回ばかりは運が悪かった、としか言いようが無い。教会の音楽が流れている。「理不尽だよね!一匹でどうやって周りをかこむっていうのさー!」と拳を握り締めながらゲームに対して熱く語り始めた。まぁ、気持ちはわからないでもないけどね……。でも、僕にそんなことを言われても仕方がないよ。僕のほうが下手なんだしさ。僕は椅子から降りて壁にもたれかかっている名前に近づいて両手を壁につけた。名前が僕の目の前に居る。



「何、しているの?」僕の行動に嫌な汗をかきながら、僕を見上げる。必然的に上目遣いになる名前。この後の言い訳……?うーん……そうだなぁ……原稿ばかりやっていてちょっと疲れちゃった。ってことにしてくれないかな?ほら、僕だって妬いちゃうよ?芸夢とばかりいたら。「こういうこと、じゃない?」ね、一人でも周りは囲めるだろう?さぁ、名前……観念してね。


しかし、まわりをかこまれた!
(▼名前は逃げられなかった!)

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