コミュニュケーション!



!書き直し。残念な源田さんしかいない

「きゃああああああっ!!」悲鳴をあげた、私に皆が振り返る。そして、男子はいつものことか、と視線を他人事のように逸らす。若しくは、バカップルめ……リア充爆発しろ!といわんばかりの嫉妬全開の瞳で見つめてくる。女子にいたっては羨ましい、妬ましいという目だった。ああ、羨ましいですか?なんなら、代わりますんで遠慮なく言ってください!源田君も嫌がる私より麗しい姫君たちのほうが色々喜ぶと思いますんで。あ、嫌味とかじゃないですよ。ほら、私見た目は中間くらいですし!だから、そんな羨ましそうに見てないで声をかけてください。そんな私の祈りに似た、淡い期待はすぐにこいつの荒い息にかき消されてしまうのだが。




源田が後ろからがっしり、私の体を抱きしめていて、逃げようにも逃げられない。振りほどこうとはした。勿論したよ。精一杯の抵抗のつもりだった。だけど、私の体力的な意味で、源田には勝てない。くそう!私も何かスポーツか筋トレをしたほうがいいのだろうか。しかし……一日二日で目に見える成果は出る気がしない。何より飽き性の私には続けられるかどうかも疑問である。ああ、一日でこいつを振りほどけるだけの力が欲しい。悪魔に魂売ってもいいや、この際。「きもい!鬼道さん……たすけて……!」




目に涙をためながら、ヘルプを言うと鬼道さんはふいと助けを求める哀れな私から目を逸らしていった。「……相変わらず仲がいいな。羨ましい限りだ」駄目だ、役にたたねぇ。毎日毎日だから、最早助ける気はないという感じだった。これでも、最初は冷静に源田をとめてくれていたというのに……。なんか見放された感がある。大体、仲がいいとか、羨ましいとかどういうことだ?この現場を見て私が嫌がっている生の声を聞いてそのコメントが出てくるのならば鬼道……天才ゲームメーカーが聞いて呆れるぞ?こいつは役に立たない、と判断して今度はさらさら流れる銀髪が麗しい佐久間……ことペンギンさんに助けを求めることにした。確か源田と佐久間は仲がいいと聞いている。ならば、源田の愚行を止められるのもこいつしかいない。と踏んだのだ。「さーくーまーっ!助けてっ!こいつ変なところ触ってくるぅ〜!!」



私の腰あたりをいやらしく源田撫ぜているのに、もう泣き叫んでしまいそうだった。「もうやだ、お母さん……このままじゃお嫁にいけなくなる。そんなの絶対やだ」「……まぁ、頑張れ。友達の恋路を邪魔するほど俺は野暮じゃない。嫁とかは、その……大丈夫だろ、源田が貰ってくれる」ちょ、待てや。こいつが諸悪の根源でお嫁にいけなくなる原因なのに、何を言っているんだ。こいつに嫁ぐぐらいなら、まだペンギンと結ばれたほうがマシだ。もうこの際鉛筆とかでもいい。無機物でいいよ、こいつに嫁ぐなんて冗談でも言っちゃいけない。ていうか、その間の抜けた声、何とかしろ!友人の愚行を止めるくらいの気概を見せてみろよ!このペンギン男が!ねぇ、なんで、皆放任するの?黙認するの?!可笑しいだろ帝国学園!総帥も止めてくれないし。ニヤニヤ笑うだけで、こいつを止めないし!どういうこと?どういうこと?!「佐久間、そうだな。俺が貰う。安心しろ、名前」「お前が一番安心できねぇ……!不安で一杯だよ!」あと、お尻撫ぜるな、気持ち悪い。顔とか色々悪くないのになんでこう残念なイケメンなんだ。この学校には残念なイケメンしか居ないのか……?しかも手遅れレベル。病院にげてー、レベル。なんてこった。こんな奴らと居たら私も駄目になる。そんな予感がする。「さ……佐久間ぁ……見捨てないでぇ……」



涙目になりながら佐久間に目を向けると、一瞬目を放した隙にペンギンに餌をやって戯れていた。畜生、突かれちまえ!このペンギン野郎!友人の愚行は気にならないのか……?ペンギン<私、友人Gですね。もういいよ、佐久間には期待しない。「鬼道さーん……お願い……ジュース奢るから助けて、離してくれるだけでいい」「……意外と……その何だ?付き合ったら源田のいいところも見えてくると思うぞ。お前が、頑なに拒絶しているだけで……その、付き合ってみたらどうだ……?」なんて投げやりな。明らかにそれらしい言葉を口にするが、どうせこれ以上助けを求められては面倒だし、毎日毎日疲れるから、付き合ってくれれば丸く収まるとか。思っているんだろう。私にはわかるぞ。違うというのならば、私の目を見て言ってみろ!はぁ……私の周りにはどうしようもない人たちしか居ないんだな、とつくづく思う。ため息をついたときに源田のキーパーをやっていると、すぐにわかる大きな手のひらが胸に触れた。やめろ!貧相な胸に触るな!このド変態がっ!

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