COLOR



夢主が病んでる、救いが無い。


窓の外で雨がしとしとと(本当に、しとしと?)赤い、青い雨が降り注いでいた。雨は規則的なリズムで、私の部屋の窓を叩いていた。(本当に?本当に?本当に?本当に?)地面が染まる、黒い、黒い、黒い。ただ、私はその情景を頬杖、つきながらじっと眺めていた。後ろの源田は、外に興味が無いのか私に視線をぶつけていた。あいつは私に悪意を持っている。いや、あいつだけではない。周りの人間全てが私に悪意を持っていて



「何、見ているんだ?(気持ちが悪い、頭が可笑しい)」こんな具合に、心の中の声が私の頭の中に響くのだ。両親も例外ではなくて、最近は私をまるで腫れ物みたいに扱うのだ。「雨、だよ?」無性に苛立つ、だけどそれを押さえつけて返した。ゴロゴロと低い音を立てて雲がどんよりと深緑色に染まった。「……雨?(使えないゴミめが、吐き気がする)」「早く止めばいいのにね」私は源田に同意を求めるかのように、話した。早く止めば、やめば?病めば?やんだら外にでられるのかな?「早く外にでたいなぁ!」源田は外を見て、何を言っているんだ?と呟き首を傾げた。そして、手で自分の顔を翳し、目を細めた。その仕草はまるで、外が晴れ渡っているような……そんな仕草だ。(そんなわけあるものか……!雨の音も、雨も見えているのに?)源田のその異常な行動に気をとられて、窓の外から目を離してしまった。私は、すぐにまた窓の外へと目を向けた。窓には、びっしりと青緑の虫が張り付いていた。「ひっ!?」私は思わず引きつった悲鳴をあげて、ぺたりと後ろにしりもちをついた。そして、源田の方に縋り付いた。



「げ、源田!む、むしっ!虫が!」「む、虫っ?!ど、何処だ?!(それは、お前だろ?虫、虫、金ばかり食う寄生虫)」源田はばっ、と窓の方を隅々まで探すような仕草をとった。目の前にいるはずの虫が見えないの?!源田は、目の前の虫たちを無視した。「だ、大丈夫か?!し、しっかりしろ名前っ!(はははっ!ざまぁないな!)」がくがくと私の、肩をきつく掴む、指が食い込んでいるんじゃないだろうか、凄く痛い。だが、そんな私を気にも留めていないらしい。「名前っ!しっかりしろっ!!(死ね、くたばれ!)」……こんな凄い剣幕で、怒鳴られると酷く怖くなってきた。私は、源田に……殺、される……?ガクガクと震える手で机にある、物を手に取った。そうだ、殺される前に、殺せばいいんだ。


正当防衛だよね?だって、私は源田に殺されそうになったんだもの。


COLOR
(色の血が手や顔にもべったりとついていた。)

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