恋愛難易度MAXなキミ




(・6つ子→夢主←トト子逆(ギャグ?)ハー)


名前とトト子が雑貨屋から出てきた。どうやら、名前の勤務時間中、待っていてくれたようだ。トト子と名前の関係は女子会仲間なのだが、トト子がやけに名前に関心を持ってしまって、行き過ぎた友人関係を築いている。そして、此処で張っている六人同じ顔をした六つ子の影が、視界にちらついた。六人同じ顔、見分けは名前にはつかなかったし、珍しさよりも不気味とかそういう負の感情が上回っていた。今日も六人の顔を見るやいなや、トト子の後ろにヒィと言う引き攣った声と共にその姿身を隠してしまった。「いやぁ!トト子ちゃんに名前ちゃん偶然だねぇ?」「何言っているのよ、おそ松!此処で名前を張っていたのなんてお見通しなんだからね!」



トト子はえらく、名前を気に入っていたためいつも、自分の所有物のような可愛い名前を六つ子の毒牙から守っていた。「ねぇねぇ、名前さんメアド今日こそ教えてくれないかな?」「ひぅ、す、すみませっ、カラ松さん」「ふっ、カラ松は俺の事だぜ。地上に舞い降りしマイエンジェル。今日は俺の腕の中で翼を休めて行かないか?」トド松がメアドを聞きだそうとしていた所に割って入ってきたのはカラ松だった。相変わらず痛々しい革ジャンとサングラスをかけていたのだが(名前の目に留まりやすいように、といつも張る日は格好つけてくる)名前の目にはただの痛々しい人にしか見えなかった(本当に痛々しいのだが)。



「と、トト子ちゃん……」「大丈夫よ、あんな屑ニートたち私が何とかしてあげるからっ」トト子の背中は小さいのにこういうときばかりは名前には大きく、たくましい物に見えた。「名前、猫は好き?」「え、っ、と。猫は好きです」「へぇ、じゃぁ俺達気が合うかもね、ひひっ」名前には相変わらず見分けがつかないが彼は一松である。しかし、気が合うという発言に怖くなってまた背中に隠れてしまった。「恥ずかしがり屋だな」危ない雰囲気(オーラ)を纏っている一松は一番名前が苦手だった。哀れ、一松。



「それより野球しよう!野球!」「し、しません」語尾が掠れてしまった、いよいよ涙目の名前にトト子が察して「するかボケェ!!!」と十四松に憤慨し、怒鳴り散らした。十四松が野球楽しいよ、野球しよ。と繰り言をしていたが、関係ないと言わんばかりにトト子が蹴散らした。「あ、有難うトト子ちゃん……」「いいのよ」今まで黙って兄弟たちが玉砕していくのを見ていたチョロ松がいよいよ動き出した。「あ、あの、ぼ、ぼぼぼぼぼぼぼ、僕とせめて握手してくれませんかね?!」「ひぃ!」またトト子の背中に隠れた。理由は目が血走っていて必死なのと、童貞、ドルオタ感丸出しの所が怖かったのである。チョロ松にとって、名前はニャーちゃんよりも尊い物で、出来れば付き合いたいと思っている存在であった。



「黙れ童貞!!名前にそのシコった汚ねぇ手で触るな!」「なっ、なななななな!ちゃんと、除菌しているよ!僕は潔癖だから」「そんな言い訳通用すると思うなよ!」トト子の右ストレートがチョロ松にダイレクトに決まった。トト子にとって、六つ子全員は穢れた存在で名前を汚しに来ていると思っている。名前はトト子にお礼を言って早く帰ろうと急かした。トト子がようやく、道端でこんなどうしようもない六つ子を相手にしていることに気が付いて、離れた。「トト子ちゃん、早く帰ろう」「そうね」そう言って、六つ子を後にしようとした時に気が付いた。「おい、ついてくるな」「え」



名前が嫌な予感を携えて振り返るとそこにはこそこそと電柱に隠しきれていない身を隠しながら、追跡してきている六つ子の姿があった。それに悲鳴を抑えきれずにあげて、トト子の背に身を隠した。ストーカーとかいよいよ危機感を感じざるを得ない。「名前に振られていることを自覚しろニートども!」「えー、愛があったらニートとか関係なくない?な、名前ちゃん」「ふっ、家で羽を休めるのもいいが、俺の腕の中で翼を休める方がいいと思うぞ、名前」「ぼ、ぼぼぼぼぼぼ僕とつ、つつ付き合ってください!!!」「抜け駆けかよ……俺と一緒に猫カフェ行かない?ひひっ」「それより野球しよ!野球楽しいよ!」「十四松兄さん、野球はしないよ。僕と連絡先交換しない?」恐怖に耐えきれず涙の膜を張った名前の様子を見て、トト子が何処からか取り出した竹刀を地面に叩きつけて六つ子たちを威嚇した。「いい加減にしろ!この屑ニートども!私の可愛い名前は渡さねーぞ!おらっ!散れっ散れっ!」「ひぃ〜!トト子ちゃんがキレた〜!」わっと蜘蛛の子が散っていくように六つ子が退散していった。今日で勝敗がついたわけではない、これらは毎日行われている事である。なので、これからも前途多難である。


Title リコリスの花束を

あとがき
逆ハーとかになっているんでしょうか?面白い設定有難うございました。


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