君が居なきゃ始まらないよ!



(・夢主がガルのお姉さん的存在。ガルの皆にちやほやされる。)


フェイが帰ってきたとき、フェイは怒りを抑えきれなかった。あんなに、サルに名前の記憶だけは消さないでくれと頼んだのに、消されたからであった。あんなに、好きだったのに、全くサルの奴はわかっていないと睨みつければヘラヘラ笑って「すまなかったね、計画の為なんだから、さ」って言われた。そして今気に食わないのは名前が帰ってくる前よりも皆に懐かれていることだ。ピノなんか成長期だとか言って、名前の膝を借りて寝息を立てて眠っている。マスラはそんな姿に微笑みながら名前の似顔絵を描いている。



もう何べんも名前の似顔絵を描いている。他の人は飽きたと言っているのにも関わらず名前なら何度描いても飽きないと言って、ピノと一緒に居る名前を聖母の様に描いている。途中ローコがやってきて、お菓子ができたよぉ〜名前と呼ぶので、身じろぎの出来ない名前が困ったような表情を浮かべて、「今食べられないよ」「いいよ、私も一旦絵を描くのやめるから」食べて食べて。と言われるがままに手に取ろうとするとチェットが盗み取るように名前から取り上げた。



「あ、こら、何するのよ!」とローコがチェットを責めたてれば、チェットは涼しげな顔で名前に「あーん、してください」「えっ」「ずるい!名前にあーんさせるのは僕の役目だ!!」と漸く、フェイが割って入った。名前はピノが起きるから静かにして、と窘めたが二人の間にはスパークしているように火花を散らしている。「どっちのクッキーを食べるんですか?!」「僕のだよね?!」「両方食べるよ」それじゃあ、駄目なんだと二人の男が嘆いていると、ヨッカがやってきて、名前の首筋に触れた。「ひゃっ!」とみんなの視線が一気にそちらに向くような色気の含んだ声色だった。



「最近練習、練習で大変でしょう。俺が、肩を揉んであげる、」耳元で喋られるのでぞくぞくする名前は必死にそれを隠しながら、「い、今はいいよ」と言ったがヨッカのマッサージが始まる。肩をもみもみと揉んだりトントンと叩いたりしてポイントアップを狙っているようだった。全くわかりやすい男である。「青い流星が聞いてあきれるわ……」マスラが大きく溜息を吐いて、男たちは馬鹿ねと蔑んだような瞳を見せた。


結局両方のクッキーを交互に食べさせられた名前のお腹は苦しかった。漸く起きたピノがグーッと伸びをして「あーよく寝た。俺何時間寝たよ?」「二時間かな?」「マジか」「そうよ、少しは反省しなさい。名前困っていたんだから」とローコが言ったので落ち込んでしまうと名前は急いで訂正した。「全然重くなかったし平気だよ!」と言った。本当は身じろぎも出来なくて大変だったが。ヨッカの肩もみの時なんか震えてしまうかと思った、と床に目線を向けた。



テラウが自室からやってきて秘伝書を沢山名前に押し付けた。「これ見てよ、名前にラブアローなんてさせたら可愛いと思わない?!」「それはいいね」可愛いという意見が圧倒的に多くて名前は遠慮しておく……とだけ言っておいた。ユウチも部屋から戻ってきたらしく他の皆には冷たい微笑を向けて、名前にだけ優しい微笑を向けて、肩に顔を乗せた。「探していたんだけど、こんな所に居たんだ、ほら、この間街で欲しがっていたネックレス取ってきたよ」シャラと後ろから首にかけてあげる。「うん、とっても、似合う」



星のついた可愛らしい、ネックレスが銀色に鈍く光る。「わぁ、有難うユウチ!」「どういたしまして」とやはり名前にだけ優しい微笑を見せた。他の皆は別にユウチだからどうでもいいけどと思っているようだったが、名前に対して物で釣るなんて最低とか思っていたりした。「そういえば、名前好きな人いないの?!」ローコが尋ねると名前は顔を真っ赤にさせているわけないじゃない!と言ったので、これはいるなと皆は確信した。しかし、誰も手ごたえを感じていない。



まあ、今は、皆のアイドル的な名前と一緒に楽しく暮らせればいいや、寿命が来るまで。皆でこっそり思った。

あとがき
ちょっと難しかったです、こんな感じで良かったのでしょうか?セカチルっ子はサルかロデオしか書かないので新鮮でした。

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