どうして、うまくいかないのか



(毒島(+磯崎)DVちっくな磯崎の彼女を振り向かせたいが為に磯崎以上に暴力振るっちゃう毒島)
毒島のDVは激しめかも


あいつは阿呆だ。磯崎に恐らく軽くだろうが殴られてもへらへら笑って顔色を窺うでもなく、そのまま話を続ける。「あんまうるせーとてめぇの骨折るぞ」とか脅しても、名前はお得意の冗句だと、軽く右へと受け流す。DVちっくな磯崎によくついていけるよなぁ。と感心しながらも、俺はどうやって彼女を磯崎から奪ってやろうと画策するのだ。例えば、磯崎よりも優しくしてやれば、俺に靡くだろうか?と思って俺は、彼女に散々優しくしてやった。荷物を持ってやったり、勉強を教えてやったりと。成果?効果?まるっきりねぇよ。あったら今頃、俺の隣に名前がいるだろうが。



それに、それをしていたときの磯崎は物凄くイラついていて、名前に当たっていた。「俺以外の男とべたべたするんじゃねぇよ!」と彼女を叩いたのを目撃したから知っている。その時初めて、涙目を作って空を見上げた、名前に逸るのを感じた。そんな趣味ねぇと思っていたんだけど、名前のけなげな姿にどうも、俺は心を打たれてしまったらしい。名前にもう近づかないでくれと言われたけれどそんなの知ったこっちゃない。これから、どうやって名前に好きに成ってもらおうか。優しいのが駄目ならば、反対に厳しくしてやればいいのか?



通学路の途中で物陰に引きずり込んで挨拶をする。「よぉ、名前」そして挨拶と共に、腹に拳をめり込ませた。所謂腹パン。「うぐっ、あ……ぁ!」名前は俺に畏怖の念を抱いたのだろう。恐ろしい物を見る目で見ていた。磯崎と違う視線なのに腹が立って今度は蹴りをお見舞いしてやった。勿論、骨はおらない方針なので、折れない程度に。「ぐっ!……毒島せんぱ……どうして、」どうしてって、決まっているだろう。お前が好きなんだよ。好きで好きで気が狂いそうなくらい毎晩毎晩、考えながら眠っている。どうしたら、名前が俺の物に成るんだろうなって。



翌日、俺が逢いに行ってやるとビクと体を震わせて、怯えの表情を見せた。今日は問答無用で、体育館倉庫に引きずり込んでやった。そこでしたことと言えば、磯崎と同じように、殴る等。もっと酷い事をしてやった。勿論、俺は馬鹿ではないので見えないところに痣を作らせた。足で思いっきり腹を蹴りあげれば、吐瀉物をまき散らしたので、それを拭けと命令して、俺はそれを眺めながら遅いと、跪いて片付けている名前にまた蹴りをお見舞いしてやる。ベシャっと顔を強くぶつけたらしい。顔を赤くさせて、泣きながら「先輩もうやめてくださいもうやめてください、先輩はこんな人じゃないです、いつからこんな風に変わってしまったのですか」と呪文のように唱える、名前の胸ぐらをつかんでキスをしてやった。「大好きだからだよ、やめるわけねぇだろ。磯崎に言うんじゃねぇぞ」



名前は怯えて、磯崎には言っていないらしい。磯崎の事だからピュアでセックスなんてまだまだしないだろうから、痣には気付くまいとほくそ笑み今日も、名前を縛り上げて、抵抗できなくさせてから散々いたぶってやった。ライター持ってきてちょっと名前をあぶってみた。「痛い痛い!」苦悶の表情を浮かべて炎から逃れる名前が最高に可愛くて俺はチュウと吸い付くようにキスをしてやる。大好きだ大好きだ。もう一生手放さない。俺だけのものだ、俺だけの物に成ったのだ。何故なら最近名前は抵抗をしなくなり始めたからだ。これは俺の愛を受け入れたという証拠だろう?そうだろう?笑いが止まらねぇ。



そんなのは幻想であった。名前は遺書も残さずに死んでしまった。虐めが原因だと言われているが誰も俺だとは疑わなかった。磯崎の野郎なんて「まさか、死ぬなんて。なんで相談してくれなかったんだ、……名前ごめんなぁ、ふがいない彼氏で、」ボロボロ泣いていやがったが名前は俺の女だぜ、気安く名前を呼ぶなよ、それからキャプテンでシードなんだからそんな泣くなよ。気色悪い。家に帰って、布団にぼふっと仰向けに成った。…………俺は死ぬほど名前を追い詰めてしまったのか、どうしようどうしようどうしよう。後になって急に混乱してしまった。名前はもういない、もういない。俺の愛した名前はもういない。俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ。どうしよう。



名前を間接的に殺めた俺。殺人鬼で、冷酷な俺。頬を伝う涙と目頭だけが熱かった。…………俺も死のっかな。


あとがき
DV描写激しくし過ぎたでしょうか…。最後ははるな様の言っていた案を取り入れさせていただきました!矢張り、私もそういう方が好きなので……。いつもお世話に成っております、これからも仲良くしていただければ幸いです。

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