恋愛スクランブル



俺の彼女はある意味とっても積極的だ。ある意味と言うか、わかってねーんだと思うんだけど。思うって言うか絶対と言っても過言じゃないかもしれねェな。あれで、わざとだーとか俺を焦らせるためとか振り回すためとか言ったら、どうしようもねェ、性悪女っていうか、純粋な顔して下衆だなと思う(男心を弄び過ぎだ、畜生)。まあ、経緯を話していきたいと思うんだが、告白したのは俺。流石に告白の意味位はわかっているらしく、二つ返事で承諾してくれた。あの時は、幸せだったなぁ、と違う違う。いや、今も幸せなんだが、そこが論点ではないのだ。



あいつは純粋すぎた。女友達とやたら仲が良くて手を繋いだりは当たり前らしい。抱き着くのは日常茶飯事。詰まりだ、俺にやってくるんだ!行き成り、手を繋いだり、そのは、ハグしてきたり……!今日もお早うと共にギュッと、朝の冷たい空気に晒された細い指先が俺の指先と絡まり合って、恋人繋ぎになって毒島や、光良の野郎どもに馬鹿にされながら登校した。……、これはまだ、マシな方だ。こいつは、俺以外ともする。毒島と並んだ時、真ん中に挟まれた名前は毒島君も!って毒島とも手を繋ぎやがった。毒島の野郎、人の彼女だと知りながら褐色の肌を赤らめてやがった。死ね、お前には脈はねーよばーか。



そして、行き成りのハグ!心臓に悪い……。授業の終わりに後ろからガバーッとやってくる。前からの時はタックルに近い。勿論俺は、倒れたりなんかしないけどな。「おい、皆が見ているだろ!」少しは考えて行動しろ、俺は女友達じゃねェんだ!皆もじろじろ見ていやがるから俺がグルリと見回し睥睨してやったら、蜘蛛の子が散るようにクラスの皆が逃げたり、一部は目を背けたりした。そんなに怖いなら最初からこっち見るんじゃねぇよ。っつか、俺の顔、今赤くねェか?大丈夫か?にやけない様に口元を引き締めた。



「えー、だって、これが普通なんだよ?」「それは友達に接するのと同じだろうが!彼氏にも同じことをするのか?!」これだから、心臓が持たないんだよ!ぶっ壊れたらお前のせいだからな、責任転嫁とかじゃねェ。「うん、だって、大好きだもん!」「やめろ!また、クラスの奴らの視線の的に成るだろうが!」また見ている奴が居たので今度は殺気を込めて、睥睨してやる。もうこっち二度と見るな。目が使い物に成らなくなってもいいなら見ていてもいいけどな……。「大体、今日も毒島とも手繋いでいただろう?!他の男にするのもやめろ!お前が浮気しているみたいに見えるだろう?!」そういうと弾力のありそうな、頬をぷっくりと膨らませて怒りをあらわにした。「毒島君もお友達だもの!あれくらい普通だよ!大体私が浮気するわけないじゃん!」



なら、せめて俺の見ていない所ではしないでくれよ。本当に冷や冷やする。「わかった、わかった、名前の浮気は疑ってねぇよ」「じゃあ、なんでそんなに機嫌が悪いの?」どうやら、そういうのは察することができるらしくて、やたらに不満げな表情で口をとがらせて、尋ねられた。「……そ、それは……」言えるわけがねェ。毒島に嫉妬しただなんて。格好悪すぎる、彼氏として余裕が無さ過ぎる。でも、名前のせいでもあるし。あーあーあー!頭がこんがらがってきたぞ……!「煩い!俺はいつも通りだろうが!」「違うね!研磨は今怒っているでしょ」



ああ、もう何で全部は察してくれねぇんだよ、と諦観した俺は半ば投げやりに「毒島の野郎と手を繋いだから妬いているんだよ!そこらへんも察してくれよ!もういいだろ!放っておいてくれ!」今はとてもじゃないが、顔を上げられない。俺は冷えた机に顔面を押し付けるようにして、手でガードした。隙間からちょっと見えているかもしれないが、成るべく隠しているつもりだ。こんなのチームメンバーに見られたら俺は「見るんじゃねぇよ!!」って憤死するかもしれない。



「くすくす。じゃあ、研磨だけ、特別だよ」俺の頭上に影が差すのがわかった。気配が近くにある。こいつ何をする気だ、余計なことはしでかしてくれるなよ。と思った矢先、「研磨が一番大好きだよ」って耳元で囁かれた。それは周りの談笑に掻き消されるものだったが、しっかりと俺の耳の鼓膜を震わせた。

title Mr.RUSSO


あとがき

あざとくなりました。ピュアがわかりません。心が汚れているみたいです。こんなので申し訳ないです。

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