ピーチパイみたいな恋がしたい




(・ロデオとほのぼのとしたお話)


新しいクラスに入ってきた子は、ロデオ君って言って昔はセカンドステージチルドレンだったみたい。それを恨んでロデオ君を悪く言う人もいるけれど、ロデオ君だって色々あったんだから、私は許してあげたいなって思った。元々はザンに居た人だからとっても怖い人かなと思って、隣の席にあてがわれた時は軽く大丈夫かな?って心配したけれどロデオ君は、「俺、学校通っていなかったから馬鹿なんだ。よかったら教科書見せてくれよ」って、私の落書きに笑ったりしながら、一緒に授業中に落書きをして遊んでいたらその内に怖くなんか全然ないじゃんって、打ち解けていった。ロデオ君は、本当は私より年上らしいんだけど、学校に通っていなかったからって言う理由で一年生の教室に来たらしかった。



「あーあー、こんなことになるなら勉強もしてりゃよかったな」一から教えられる全ては難しく感じられるらしく私をよく頼ってくる。私はそれが嬉しくて先生の真似事をしてロデオ君に勉強を教えている。それに対して見返りなんだろうか?たまにお菓子とか、ジュースを購買で買ってきてくれてそれを一緒に食べている。傍から見たら付き合っているんじゃないの?ってレベルらしい。友人談なので、そこまで信用と言うか信憑性のない物だけれども、それでもよかった。ロデオ君と仲良くできるだけで私はなんだか嬉しい気持ちに成るのだ。あんなに、人類を憎んでいたセカンドステージチルドレンの男の子がこんな何処にでもいるような女子に構ってくれるんだから。



「俺ってさぁ、避けられているんだよなぁ」未だに溶け込めないでいるロデオ君は少しだけ寂しそうだった。「ロデオ君怖くないのにね」「何言っているんだか。俺、結構街とか破壊してきたから怖いに決まっているだろ。この中にもきっと被害をこうむった奴居ると思うぜ」と寂しそうにゆっくりと歩幅を合わせてくれるロデオ君に静寂と共に微笑んだ。今日はロデオ君を家に招待してみた。ロデオ君は、今は家を借りているらしい。なんでもセカンドステージチルドレンの施設は入れなくなったから家が無くなったかららしい。私の部屋に来てくれてもいいんだけどな。



「いらっしゃい」「お邪魔しま……、す」私の部屋を見るなり僅かに目を細めて言った。「女の子の部屋ってこんなに可愛いんだな、驚いた」きっと私の部屋にある棚とか、ぬいぐるみとかを見て言っているんだと思う、ロデオ君に言われて羞恥心がこみあげてきてあんまり見ないでね!とくぎを刺した。なんだか、ロデオ君にそんなこと言われると他の人に言われるよりもずっとずっとドキドキするし、照れてしまうのだ。どうしてだろう?なんかまるでロデオ君が好きみたいだよ。……そうなのかな?だとしたら、私の気持ちは迷惑に成るかなぁ……?だって、最初にロデオ君たちを迫害して傷つけたのは私たちの方だから。



「この菓子うめぇー。名前って、何でも作れるんだな!」私が作ったクッキーをボリボリ何個も頬張って目を細めて大袈裟に喜んでくれるロデオ君に他のおやつもあるよと差し出した。それもとって、ロデオ君は口に突っ込んだ。「うめぇ!俺、名前の作ったお菓子好きかもしれねぇ」好きって言葉に、どきんと心臓を蠢かして、別に好きって言葉には私が好きだなんて言葉は包含されていないのは知っているけれど。ある程度食べたら満足したのかごちそーさんって言ってまた、マスクをつけて私の髪の毛を撫で付けた。「お前って、変った奴、俺の事こわがんねーし、馬鹿にしてこねぇし」



「若しもさ、いや、本当に若しもの話なんだけれど、私がロデオ君の事好きだって言ったら迷惑かな?」「……」ロデオ君が黙った。でも、自分の気持ちをこのまま押さえつけたままでいるのは辛くて仕方なかった。隔てていた壁はもうないようで、透明なまま、未だに突っ立っているから。受け入れて貰えなくても仕方ない事柄であった。だけど、ロデオ君は「嬉しいと思う。俺もお前の事好きだし、でも……俺なんかでいいのか?俺、元セカンドステージチルドレンだし、お前らの街壊したし、もっと酷い事も」その時に私は悲しくて、唐突にロデオ君に抱き着いて見せた。それから胸に顔を埋めて言った。「だけど、最初にロデオ君たちを差別して迫害してきたのは私たちだよ」「お互い様、……だな」ロデオ君の手が背中に伸びてきて、抱きしめられた。初めて感じた男の子のぬくもりはとても温かい物でした。


あとがき

ロデオ君ほのぼの難しいですね、ほのぼのじゃない気がしますが、ワクチンを打った後のロデオ君がどうなったか気に成って書いてみました。ロデオ君可愛いですよね。有難うございました。


title 箱庭


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