下鶴



教室の掃除の時間。早く帰りたいのになぁ、今日見たい番組あるし。あとはゴミ捨てだけなのだけれど、友達に押し付けられてしまった。まぁ、友達は塾があるみたいだから仕方ないのだけれど……。私もさっさと帰りたいからできれば、やりたくない。



「ということでさ、頼むよ改君」
「嫌だ。なんで俺がやらなきゃいけないんだ」
即、拒否られてしまった。ですよねー。嫌ですよねー。私だってそんなもの引き受けたくないですもん。
「じゃぁさ、改じゃんけんで勝ったら引き受けてよ」
改はわざとらしく考えるような仕草をしたあとに「わかった」と言った。
「最初はぐー、じゃんけん、ぽん!」
二人の声が誰も居ない教室に小さく響いた。結果は私がパーで、改がチョキ。はい、負けですね。こいつ後だししてないだろうな?と疑いの眼差しを向けたが改は涼しい顔で「残念だったな」と人を小ばかにしたように言った。
「改、チート?後出しだよね?!」
「後出しはしてないぞ。あ、因みにもう一回は、無しな」
私がもう一回!とか今のは練習ね!と言う前に考えを読んだかのように告げる。……いよいよ、私がゴミ捨てにいかねばらならなくなってしまった。
「改、もしかして……じゃんけん強い……?」
「というか、お前じゃんけんのときパー出す癖あるから」
自分で気がついてなかったのかよ。と笑い出す改。



あーあー。気づきませんでしたとも!ゴミ袋を片手で持つ。案外軽い。
「悔しい……いいよいいよ。私を置いて先にいっちまえ!」
「誰も置いていくとは言っていないだろ。待っていてやるから、さっさと捨てて来いよ」
「有難う!そういや、何で私の癖わかったの?」
「自分で考えろよ。馬鹿」


かたないから、待っていてやるよ

  


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