松野 きのことたけのこの形をした、二つのお菓子の箱が私の机の上に乗っかっていた。どちらも、すでに開封済みらしく美味しそうな匂いが漂っていた。私の机に腰掛けてそれをつまんでいた。(自分の席でやれよ。まじで) 「美味しい?一個頂戴よ」 たけのこの方を指差して頂戴、と頼むとマックスはたけのこではなく隣においてあったきのこのお菓子をひとつ摘んで私の口元に近づけた。 「いいよ。はい、あーんして」 「たけのこもうないの?」 一応きのこを貰ってそれを咀嚼する。そういえば、昔きのこのチョコの部分だけとって食べたりしたっけ。と懐かしいことを思い出した。……否、今も人がいなければするか。美味しいな、これ。 「たけのこ?あるけど?」 ガサガサと、包装紙の中からチョコレートでコーティングされたたけのこの形をしたお菓子を一つだけ出した。 「え、なんでたけのこくれなかったの……?たけのこの方が好きなのに」 「わざとに決まっているじゃん」 そういって、たけのこを自分の口の中に入れた。くれないんだ……たけのこは。 「性格歪んでいるよね、君」 「なんできのこあげたのにそんなに、悪く言うわけ?もうあげないよ?それに僕はきのこの方が好きなんだよ」 僕が好きなほう、あげたんだから感謝してよね。と 「ごめんなさい、私が悪かったです。ってか、マックスきのこ派か……」 「何?いけない?美味しいじゃん」 「まぁ、うん。美味しいね」 私も隣に腰を下ろして、足をぶらつかせた。猫耳帽子のせいでマックスのほうが少し大きく見える。この帽子何処で売っているんだろう。可愛い。 「同じ会社のお菓子だし、きのこ派もたけのこ派もないと思うけどね」 だって、両方美味しいじゃん。だって、まぁ、正論かな。 きのことたけのこの関係 ← 戻 → |