佐久間 今日も朝寝坊して、朝食を抜いてきてしまった。そのため先ほど百五十円で購入した某携帯獣のシールがおまけについてくる、菓子パンをもそもそと机に座りながら食べていた。友達はまた寝坊したんだ?とくすくす苦笑いしていた。授業中に腹がなってからというもの、朝食は抜かないようにしているのだ。 食べおわったあと、パンの袋をゴミ箱に捨てた。今回のシールは……残念。電気ねずみではなくて某ペンギンモンスターらしい。まぁ、これはこれで可愛くていいのだが。別にシールは集めているわけではない。 「……これいる?」 友達にペンギンのシールを掲げて尋ねる。 「いらん、いらん」 ですよねー。しかし、一応金を出したのは私なわけで……。これを、すててしまうなんてとんでもない!とか脳内で再生される。 そういや、私のクラスにペンギン好きな眼帯少年がいたな。あいつの机にでも張っておいてやろう。喜ぶかな?まぁ、悪戯なんですけどね。思い立った私は、すぐに佐久間の机に近づき、源田と話し込んでいる隙に机の右上にぺたりとシールを張った。源田がそれに気がついて私に話しかけてきた。 「佐久間の机に何しているんだ……?」 その言葉に佐久間が振り返り、机を凝視する。 「あーーーっ!!俺の机に何張っているんだ!剥がせよ!」 佐久間が凄く怒っている。携帯獣しらんのか。すげぇ人気なんだぞ? 「佐久間、これペンギンモンスターなんだ」 そう教えてあげると佐久間が固まった。なん……だと……?と呟いている。先ほどまで剥がせ剥がせといっていたのが嘘のように静かだ。 「……佐久間、それ剥がさないのか?」 源田が聞くが佐久間は剥がすなんてとんでもない!と首をぶんぶんと横に振る。気に入ってくれたらしい、よかったね、佐久間。 ペンギンさんシール ← 戻 → |