平良





まーた、宿題かぁ……。嫌だなぁ……。なんて内心思いながら前から回ってくるプリントを頬杖しながら待っていた。一番、最後の席って、暇だ……。回ってくるまでの時間が、長い。
「はい」
ようやく回ってきたのか前の席の平良君が振り向き、白と黒のプリントを手渡してくれた。プリントを貰ったときに指にあの、鋭い何ともいえない痛みが走った。思わずその痛みに声が漏れてしまった。
「っ……!」


指を切ったらしい……。指の腹から血がぷっくりと出てきた。平良君はそんな、様子を見て心配そうに声をかけてきた。
「……す、すまない……大丈夫か?」
申し訳なさそうに目を伏せた。平良君が悪いわけではないのに、私の傷口を見て顔をしかめた。平良君の頭の飾りが蛍光灯に照らされて、きらりと光る。授業中たまに目が痛いときがある。



「う、うん。大丈夫、大丈夫。心配してくれて有難う」
「あ、そうだ、俺絆創膏持っているぞ」
思い出したように机の中から、絆創膏を取り出す。何でそんな物があるんだ。と、思ったけど、そういえば平良君はサッカー部だった。ならば、あっても不思議ではないか……。机の中にあるということはきっと、いつも常備しているのだろう。怪我なんて、運動系の部活なら多分普通だろうし。
「指、出して」
平良君の言葉に従って指を出した。私の人差し指には、可愛らしい柄の絆創膏がぺたりとはられた。

絆創膏

  


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