なでしこ彼女!



・突発リクエストの物なのですが、一応エドガーの彼女シリーズとして扱うことにしましたので此処に置きます。内容に変更はありません。



外国の人って皆、こんなに積極的なアピールをしてくるのだろうか?それとも、社交辞令であって、他の人にも簡単に言っているのだろうか?大人しい冬花ちゃんなんかもたじたじだったけれど、どうやら、彼は別の人物にも興味を示したらしく、パーティの時に私の元に近づいてきて「貴女ほどの美しいレディに出会ったことがありません、よろしければ、私とお付き合いしていただけませんか?ああ、失礼、私はエドガー・バルチナス。お名前を伺ってもよろしいですか?」と、勝手に手の甲を持ち上げて手の甲に口付けなんて落とすもんだから吃驚仰天である。私は生まれてこの方、こんな扱いを受けたことが無いのでたじたじである。「えと、苗字名前で、す……、」



必死に絞り出した声は何だか声帯が震えているようだったが、言えただけ上出来だといえよう。その日のパーティはずっと、私は付き纏われてしまって散々だった。「こちらの料理はとても美味しいですよ、ああ、そちらの飲み物を入れてあげますね」とか尽くして貰って何だけど……日本文化と大きくかけ離れたそれらは苦痛にすら変わるのだから不思議な物である。しかも、エドガーはナイツオブクイーンのキャプテンなのだから、余計に注目を浴びてしまう、敵チームの皆からも仲間からも。その視線がほうぼうから刺さってきてガードをする術を知らない私はただ、助けてくれと言うシグナルを仲間や敵にすら送りながら耐え忍ぶのみであった。結果?結果は円堂は鈍いからわからないようだし、他は関わりたくないと言わんばかりに見ないふりをしていた。冬花ちゃんは、どうしよう……って顔で私を助けようという素振りを見せてくれていたけれど、残念だけど彼女では力不足であったようである。



パーティが終わった日、全てから解放されたと思っていたが、最近は毎日花や、贈り物を届けに来ては私に愛の言葉を囁きに遠い所わざわざこちらまで出向いて、跪いたりしたりするものだから、やめてください!お願いします!と日本人独特の儀礼的であるおじぎをしては、やめさせようとしていた。この光景を敵チームや味方に見られたらどう思われるだろうか?……、いいものじゃあないのには決まっている。敵チームに見つかったら殺されるんじゃないだろうか?とか思っていたが、パーティの日があれだったのだから、見て見ぬふりをされてしまうのが落ちかもしれないと少し、涙ぐんでしまった。「あの、あの……もう、やめてくれませんかね?エドガーさん……、私、こ、こういうの慣れていなくて……」日本にはこんな文化無いのでと一から易しく説明して見た。



エドガーは成る程と納得したようだったけれどそれでも、止めてはくれなかった。何故こんなに押しが強いのか謎である。「レディ、こんなことにも気づかなかった子のエドガー・バルチナスをお許しください。まさか、レディたちの国ではこのようなアプローチをしないと思っていなかったもので」と丁寧に詫びてそれから「そうですよね。こんな、贈り物などで、気を惹こうだなんてそもそも間違えていたのですよね。プレゼントは所詮物でしかなく、愛は籠っていても全てを伝えきるには難しい」そういって、でも今日はこの花を受け取ってほしいと綺麗なお花を貰った。薔薇は流石にキザすぎると思ったのか私が見たことのない花だった。私は漸くわかってくれたか、と思って完璧に油断していた。



翌日からは偶然を装って彼が現れるようになったそのまま昼食をとったり、ショッピングしたり、まるでデートみたいに見えるような事ばかりをしてくる。周りの女性の目は何あの子、地味でちんちくりんの癖に!私たちの方がエドガーの隣に立つのにふさわしいわ!と言わんばかりの親の仇でも見るような目なので恐ろしくなってしまった。そのたびにエドガーが守ってくれるように、そっと私を抱き寄せたりして来る。私はすかさずコンマ一秒でその腕から抜け出して、有難うございます!と涙目に成りながら言うのだった。「愛すべきレディを守るのは私の役目ですから」なんて。



日本に帰ってこれで全て終わっただろうと思った頃、手紙が届いた。綺麗な日本語で書かれていたので不思議に思ったが、貴女に愛を伝えるために覚えました。日本語が間違っていたら申し訳ない。と書かれていて、彼らしいと思った。どうやら、近々日本に(私に逢いに)くるらしい……。誰か助けてよ。

  


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