御良



これの別バージョン。相変わらず悪意たっぷりです。因みに彼らは何してもオッケ!みたいにいっていますが、ダメです。悪意があるんで、不愉快になる人がいるかもしれません。


此処ではどんな嘘も本当になるんだ。職業、年齢、性別……そのほか色々、ね。嘘がばれることがあってもキャラを変えたりもできる。つまり逃げることが出来る。こんなことリアルではできないだろう?リアルでは許されないような失敗、詐欺、嘘、全てが許される。



伊月:ねぇ、名前君。あたし、名前君好きだよ。
こんな甘い言葉に騙される、パソコンの向こう側に居る名前という奴はきっととんでもない奴なんだろうな。禿て脂ぎっている中年太りした親父だったりして。ああ、笑えない。こんなことしている、俺が言うのもなんだけど、気持ちが悪い。ただ、嘘をついている俺は名前を一方的に責めることは出来ない。俺だって、女の振りして男を釣ってレアアイテムとかを貢がせている最低な男だ。



……女とはベリーイージーだ。女の姿をしているだけで男が寄ってきて勝手に話してきて「友達になって」、とお決まりの台詞をいってきて勝手に高価なものを貢いでくる。そして、俺はその甘い蜜の味を覚えてしまった。名前の言葉を待つ。名前は俺と違ってそんなにタイピングが早くないみたいだからこうやって、待つことも珍しくはない。そんなに、慣れていないのが伺える。待つことはあまり得意ではないのだけれど、初心者なんだろうって割り切っている。俺は頬杖をつきながらパーティ募集の掲示板に目を向けた。




「……はぁ」
私はため息を吐いた。疲れているわけではない。いや、それは少し嘘か。今日も塾では居残りをして、大量の宿題を貰ってきてしまってとても憂鬱だ。そして、それを発散するのが此処。オンラインゲームだ。私は実のところオンラインゲームを始めてまだ日が浅くて……チャットも慣れていない。だから、彼女の会話にはたまについていけないときがある。だけど、伊月は優しいから私のことを待ってくれる。私はキーボードを見て、確認しながら文字を打った。



名前:俺も、好きだよ。なんだよ。伊月らしくねえなぁ。w
男名の私がそんな言葉を吐いた。所謂ネナベだ。現実に嫌気がさして遊びのつもりで、男を演じていたらいつの間にか、ネット彼女なるものが出来てしまった。パソコンの中で出来る、ネット恋愛。くだらない陳腐な言葉も、何もかもが素敵だろう?ああ、画面の向こう側の君は本当に女性なんだろうか。そんなことをたまに思うことがあるのだが、なんだか、このやり取りが好きでどうでもいい、と思い始めてきた自分がいた。今が、此処が幸せならそれでいいんじゃないだろうか。


ほら、見てよ。理想的な幸せな彼女と彼氏の関係だろう?

ーフェクトワールド

  


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