浪川



会話がなんか不健全っぽいんで、15推?



「なぁ、やっぱり我慢って体によくねぇよな」
蓮助がとても真剣な顔でそうつぶやく物だから、思わずテレビから目を離して蓮助を凝視してしまった。「いいじゃん、我慢も大事だよ」蓮助はそんな私を特に気にする様子もなく「いや、我慢しすぎるといつか限界が来るだろ」私がテレビのお供にしていた、うす塩のポテチを(しかも避けていた大きいやつ)摘まんでパリパリ咀嚼した。今日、ちゃんと掃除した床の上に食べかすがポロポロ落ちていく。あーあー。でもそれについては指摘しない。「……そうかもね」ソファーに倒していた体の体制を少しだけ変える。が、変える途中にジンジンと痺れている足に気が付いて、その片足を伸ばした状態の不安定な体制のまま動きを止めた。とてもじゃないが、これ以上動かせない。無理無理。
「足でも痺れたのかよ、変な体制」
ぷっ、と笑って蓮助がちょんと私の足に触れる。これだけでじんじんとした不思議な感覚を生み出す。痺れが引かないので蓮助のなすがままになってしまう。



「我慢のしすぎって体に毒だと思うぜ、俺」
「それとこれの何の関係があるの、やめてやめて!」
相変わらず、私の足をもてあそぶ魔の手は嫌がらせの如く往復されているので、私は手で振り払うことしかできずにいた。蓮助が「はぁ」と溜息を零して今度は痺れていない方の足に手を伸ばした。太腿のあたりを慣れた手つきで撫でつける。先ほどの痺れとは違う感覚が足元から這い上がってくるので、熱の籠った息をそっと蓮助にばれないようについたつもりだった。「こっちは痺れてねぇのか」バレバレだったようで、蓮助の笑みが深まった。「い、っ……みわかんない、んっ」段々抵抗する気も失せて、視界に映る蓮助を熱っぽく見つめれば蓮助が手を滑らせて言った。
「最近、俺我慢してっから。体にわりぃなって思っていたんだ。野郎共にも、我慢のし過ぎはよくねーって言われたし」
此処まで来てようやく、意味深な蓮助の言葉と行動に対し何を言いたいのか理解した。
「あんた、よくも他人にそんなことを言えるね。恥ずかしい!」



ああだから、湾田君ニヤついていたんだ。久しぶりに面白いことあったな、って顔していた!私はそこまで深読みできるほど、賢い人間じゃないが違和感だけは感じ取っていた。不可解な事すべてを把握した途端に先ほどとは、また違う羞恥の熱が体を支配して私は蓮助の胸を軽くはたいた。
「なんでそういうこと言うかな!さいてー!蓮助には我慢が足りないんだよ!」
「なんでだよ!普段から十二分に我慢しているだろうが、一か月に一、二回じゃ少なすぎる!……まあ、急に道端で我慢の限界が来てもいいって言うなら別にかまわねぇけど。名前次第だぜ?」
何、その不穏な言葉。道端で我慢の限界が来るってどれだけ蓮助に忍耐力が無いか露呈してしまっているじゃないか。最低……ともう一度だけ蓮助を罵倒しながら蓮助の首に手を回した。



ールスに侵される

  


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