畜生、神童とか言う高スペックの女々しい野郎なんて消えてなくなればいいんだ。毎日そういうことを考えながら、茜をどうやって自分の物にしようかと考える。茜は直感で私が神童を嫌っているという事を察しているらしい。私は必死に茜が神童のどの辺が好きなのかを観察していた。「……うーむ」やっぱり、顔だろうか?……顔は所謂まあ、イケメンに属するだろうし。顔のパーツはどれを取ってもその辺の男子がまず勝てるようなものではない。だが、茜はそんな見てくれだけに惑わされるような安い女じゃないぞ!ということで、まあ、イケメンではあるけれどもこの要素は一番大事な所ではないと思われる。次、身体能力。……キック力やスピード、化身にシュート技。一時期はキャプテンを務めていたというだけあって矢張り、他校の選手にも引けを取らない。いや、寧ろ凄い部類だ。次だ次!



……性格は、と。これはあんまりわからないな。うん。最近観察を始めたばかりだから圧倒的に情報量が少なすぎる。私が知る限りだと泣き虫とかその程度だ。まあ、でも茜が好きに成るくらいだからな、きっと悪くは無いんだろう悪くは。そして、成績。……これは常に私が負けているので、敢えてノーコメント。因みに、ピアノの腕も相当らしい。「くっ、」私って神童に負けすぎ……?口元に手を当てて絶望に浸ったままサッカーをしている神童を眺めていたら、茜が音も無く近寄ってきてぽわぽわと周りに淡い色の花を咲かせた。「名前ちゃん」「茜、」涙目に成りながら茜を見つめるとにっこりと、破顔してみせた。



「名前ちゃんにもしん様の凄さがようやくわかったんだ」「そうなの……」完全敗北を認めながら悔し涙を零しかけた時に爆弾を落とした。私は放心状態に近くて、つい頷いてしまった。「しん様好き?」「うん……って、え?違う!」「駄目。いくら名前ちゃんでもしん様は渡さない」私は敵の情報を得るために観察していただけであって、決して見とれていたわけでも、なんでもない!なんで、茜は神童以外には鈍いんだ!たまに鋭かったり核心を突くようなことを言ってくるくせに!あー、もうわざとレベルだよ。「違う!神童なんていらん!私が欲しいのはっ、……あ、あか、茜の心だよ」



色々な物を振り絞って、しかも玉砕覚悟で噛みながら臭い台詞言ったのにさ。全く聞こえていなかったみたいで神童の事を全力でフラッシュをたいたカメラでバシバシ取っていた。神童とかマジ爆発しろ。負け惜しみじゃないやい!


ギュウギュウ詰めの感情

  


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