西野空 暇だぁ。この無意味に流れてゆくときをもっとこう、有効活用するべきだと僕は思うんだよねぇ。例えば、名前と愛をはぐくんでみたりぃ。楽しいことしてみたり。うん、兎に角僕は暇なんだよ。別に年がら年中頭の中がピンク色ってわけじゃないけど、こうムラムラしちゃうときくらいあるんだよ。ていうか、中学生だから寧ろ健全?名前も暇そうに寝そべっているし。暑いから外に出たくないとか何なの?不健全なお付き合いでもしたいの?普段プラトニックがどうとか言っているくせにさぁ。 「詰まんない。名前〜。何、考えているのぉ?」 「ん〜?……宵一とおんなじこと」 僕はそれを聞いて寝そべっている名前の元によって馬乗りになった。名前は僕を見上げてぽかんと口を開けて呆けていた。僕と同じことを考えていた、イコール僕と名前が愛を育む。こういうことだねぇ。 「へぇ、さっすが。僕らは以心伝心だね。じゃあ僕と一緒にきもちいいことしよっか」 以心伝心、言葉なんか要らない仲。目と目で分かり合える……僕らって実は凄い? 「何、しれっといっているのよ、変態。暇だって思っているだけなのに」 「わかんなぁーい」 ちゅ、と口付けを落としてそれから何度か角度を変えて啄ばむようにキスをする。あー、やばいなぁ。 「はっ、もう、何な、の。急にさ」 名前が暑苦しそうに僕の髪の毛を、払いのけながら顔を顰めた。たいして気にも留めずにまた、キスを降らせる。つまらないんだよ、詰まらない。理由なんてそれ以上に無いし、何も考えられなければいいんだ。僕のこと以外ね。 「だって、詰まらないからさ。お互いの暇を埋めるにはとても合理的でしょ?」 「そーぉ?隼総たち呼んで遊んだらいいんじゃない?」 僕の携帯に目をやりながら、暇つぶしに呼べばいいじゃない。と提案してくる名前。わかっていないなぁ……。なんで、この美味しい状況で隼総なんか呼ばなきゃいけないわけぇ?空気よんでよね。 「えー、隼総?やだぁ……。折角、いい感じになってきたのに」 「この状況を見てそのコメントが出る宵一って、色々とずれているよね」 僕を大きな瞳で見上げて、呆れたように眉を下げ自由な両腕で僕のお腹の辺りを押した。僕の何がずれているってわけ?いいじゃん。僕と楽しいことしようよ。 だいぶ、ずれていますね ← 戻 → |