喜峰



冬休み、面倒な宿題をたんまりと出された。俺の大嫌いな、漢字の書き取りから、数学の計算。それから、日記やら何やら。兎に角面倒な事には変わりのない物を担任の先生が出した。俺の担任の先生は、宿題をたんまり出すことで有名だったので正直担任に成った時内心でゲッと思ったけど運命には抗えなかった。俺は割と面倒くさがり屋だ。だから、先に出来る面倒くさい物をさっさと消化しようという事で彼女である名前と一緒に今俺の部屋で消化していた。名前は俺と違ってコツコツ出来る派なので本当はこんなこと必要ないのだけど、俺がいかんせん面倒くさがり屋なので付き合ってくれているのだ。あと監視。俺、放っておくとサボっちゃうかもしれないから。



「えーと、まずは数学……」勉強したくないなぁ、なんて数学と言った時点で思ってしまった。数式を見るだけで反吐が出そうだ。名前が鞭撻してくれたけど、それどころじゃなかった。一番簡単そうなものってなんだろうって思って目についたのが、日記だった。「……日記から行こう」「岬ってものぐさだね、意外と無精者と言うか、」名前の貶す声が聞こえたけれどそれどころじゃなかった。一気に終わらせてやるぞ。



「って、岬、全部書いたの?!」信じられないと言った顔で、俺の日記を読む名前。確かに日記と言う物は毎日の記録であって、一日で書き記せる代物ではないので、驚くのも無理は無かった。「えーと、何々……五日、名前とお家でデートした、六日寒いけど海に行って名前と恋人気分を……って、全部私を巻き込もうとしている未来日記じゃないの?!」「巻き込むって失礼な」「こんな嘘駄目だよ」ほら、と言って折角書いた俺の日記に対して消しゴムを投げつけた。酷い。俺はこれを消す気など微塵にもなかった。そもそも、これは嘘ではない「……嘘じゃないし。これぜーんぶ実行するんだから嘘じゃないだろ」



「冗談じゃないよ!これ全部実行したら私も岬の日記に合わせて書かなきゃいけなくなるし、予定も全部パァーじゃないの!」信じられないと俺の日記を酷評してきた。まぁまぁ、いいじゃないか。俺と一緒にこの冬休み楽しもうよ、瞳を細めて口角を持ち上げた。まずは今日の予定から行こうか、今日はこれから名前とショッピングだよ。


なことに成りました

  


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