へんたい彼女!



!夢主が変態。だけど、結局はエドガーも同類。



私の彼女は変態だ。どうしようもない、変態だ。
「男の娘ハァハァ」
……男の娘って何だ?男なのか娘なのか、はっきりしてほしい。名前はたまに女性に対してもハァハァしている。本当にわからない。前までは、私にハァハァ言っていてドン引きしていたのだが。最近はなんだか、ジャパンの風丸がいいらしい。ドン引きしていた、はずなのに。なんだか、心なしか寂しい気がしてならない。
「やっぱ、風丸可愛いわーっ!生足っ!」
風丸の写真を手にとって頬ずりしている。何か、浮気している現場を見ている気分だ。私という、男がありながらっ!とか変な台詞が頭の中にポンと沸いてきた。……わからない。大体、男の足なんか見て何が楽しいんだろう。



そもそも足くらい私だって出しているじゃないか。何が不満だというのだ。
「すべすべなんだろうなぁ〜。生で撫で回したいわー!」
発言が可笑しい。男の足を撫で回す?!は、破廉恥な。レディの発する言葉とは到底思えない。
「でもでもー。あの円堂って子?あの子も素敵だったな〜純粋そう〜」
……私がまるで純粋じゃないみたいではないですか。私だって、純粋ですよ。無垢で穢れがなく、何も知らないことに定評があります。本当ですよ?チームメイトもよく言ってきますし。なーんも知りません、ほら、私の瞳を見てみてくださいよ。純粋そうな少年の瞳をしているでしょう?
「やっぱ、風丸が一番だけどっ!」
そこは、エドガーが一番だけどっ!括弧はぁと。って言うところなんじゃないんですか……?普段は気持ち悪いと思っていますけど、此処まで放置されると寂しさで爆発しちゃいます。……下的な意味で。



「あー、風丸君、欲しいなー。サンタさんがプレゼントしてくれないかな〜。リボン巻いた風丸君をさ!」
「……もう限界です」
気がついたら、そんな言葉が出ていた。意識していたわけではないのですが……。本当につい。って感じです。名前が目をまん丸にして私を見ていた。風丸とかいう男の写真じゃなくて、私が瞳に写りこんでいた。
「へ……?」
「……さっきから、何なんですか。私より彼がいいとでも言うのですか?そもそも、私がありながら何故、他の男の写真に頬ずりしているのですか……?」
言葉が次々と勝手に口から出てくる。名前はそんな私を不思議そうに見ている。確かに、今までは色んなことを黙認してきましたよ?ええ、黙っていましたよ。気持ち悪いとは思いましたが。美しいレディの写真を見て「ふつくしい……ボンキュッボンっ!!」とか言っていた時だって。(ぶっちゃけドン引きしましたけど)チームメイトにセクハラ紛いのことをしたときだって。(チームメイトが嫌がっていたので止めましたけど)貴女が私の腹や胸、太ももを撫で回してきて可愛い、可愛いと言ってきた時だって止めはしなかったじゃないですか。(思いっきり嫌がったけど)
「え……いや、その、だって。エドガーより、幼く見えてかわい……」
まだ、そのようなことを言うつもりですか。懲りませんね。
「……名前」
いつもより、低い声で名前を呼ぶとビクッと震えた。



「今日は、貴女に私のエクスカリバーを……」
「最低なシモネタじゃないのよ!」
私の言葉は全部シモネタですか。そうですか。心外ですね。まるで歩く十八禁みたいじゃないですか。歩くモザイクですか。もういいですよ、名前なんて知りません。ふん、だ……。名前なんか嫌いです……。そうやって、私ばっかり苛めて……。もうやだ、こんな彼女。うへ、目から汗出てきた……。地面にいじいじと文字を書きながらしょげていたら名前の声が後ろから聞こえてきた。
「でも……嫉妬するエドガーかわいいーっ!」
私に思いっきりタックルを食らわせて、首に手を回してきた。
「考えれば、エドガーも男の娘だよねっ!ハァハァ、いいわー、萌えるわー。泣いているエドガー可愛いよ〜!ドレス着せたいくらい素敵っ!メイド服も有りね……!あー……!私の手で泣かせたいわっ!」
グスッ……泣いてなんかいませんよ!こ、これは、そう、汗なんです!……っていうか、私が泣かせる側じゃないんですか……?いつもの、あの変態ちっくな荒い息遣いが耳元で聞こえる。
「……」
……結局、私も同類なのかもしれない、今日この頃。類は友を呼ぶ……いや、恋人を呼ぶ……。名前が男の娘とやらが好きだというのならば、頑張ってみようかな……。よく、わかりませんが。ドレスも、メイド服も絶対着たくありませんが。



地面に視線を落とすと、床には先ほどの風丸という男の写真が落ちていた。……あとで焼却処分しておこう……。名前の一番は私でいいのです。


  


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -