つんでれ彼女!



!エドガーは残念。デレないから正式にはツンデレじゃないです。


私の彼女はツンデレだ。今のところ、デレてくれていないが、そのうちデレるのです。ランス曰く「それは、つんでれ?と言うやつではないと思うが……」といっていたが。あれは、頭が固くて駄目ですね。もっと頭を柔らかくするべきなのです。だから、モテないんですね。あー、やだやだ。もてない男の僻みって。
「名前今日も美しい……世界中の美女も貴女の前では無力だ」
「ごめん、なんか凄いフラストレーションが溜まってきたわ」
彼女は照れ屋さんなんです。ふふふ、照れることは無いのに。この世界では私と貴女以外は全て、エキストラなんですから。



「ストレスか……?貯めすぎは毒だぞ、名前」
「うん……気をつける。でも、こいつがいる限り私のストレスは常に蓄積される気がする」
昔はエドガーと呼んでくださっていたのに、いつの間にか恥らってこいつ等呼ぶようになってしまったのが私は少し寂しいです。出来れば上目使いで、エドガーと呼んで欲しいのですが……。
「いつから、こうなったんだろう。昔は格好良く見えたのに、いつの間にこんなにきもく……ああ、これが本性なのかしら」
それは、私が貴女のことを愛していると気がついたからですよ。気持ち悪いなどと、暴言を吐いていらっしゃいますが貴女が、照れてそのようなことしかいえないのを私は知っています。ならば、このエドガー貴女の愛を受け止めないわけにはいきません。
「……さあ。……気持ち悪いのは我も同意だが」
ランスがげんなりとした様子で、私を気持ち悪いと罵ってきた。名前と違い、腹が立つ。なんで、貴方なんかに気持ち悪いといわれなければならないんですか。
「気持ち悪いとは、失礼な。名前はツンデレなんです、本心ではないのですよ、ランス」
「……名前がつんでれなどと思っている時点でエドガーはどうかしているぞ……。本気で嫌われているということに気がつかぬのか?」




な、何で私が嫌われなきゃいけないんですか。別に何もしていないじゃないですか。ちょっと、デートのお誘いをしたり、家が何処かを調べたり、今日の下着は何色だろうか、と想像したり今何しているのかな、とか考えているだけじゃないですか。
「……それがいけないということに何故気づかぬのだ……。気持ち悪い……」
「まったくだよ……無自覚で、きもいよ……」
「名前まで……。今まで女性に気持ち悪いなどといわれたことないのですが……。余計に燃えますね……。ふふふ」
名前の手の甲に、キスをしようとすると手を払われた。ランスの前でやられるのが
恥ずかしいということですね、わかります。
「いやっ、気持ちわるいっ……!触んないで!」
きもいから気持ち悪いにグレードアップしました。しかし、これも照れからきていると思うとなんだか、萌えます。燃えじゃなくて、萌えです。ああ、駄目だ、なんか鼻血でてきそう。



「うわぁっ……ランス、助けて。本当無理、生理的に無理」
「……我に任せろ。いざとなったら我が何とかしてやろう……。我でも駄目ならば、応援を呼んでやる」
ランス頼もしいっ!と名前がランスに抱きついた。その兜叩き割ってあげましょうか。ギリギリと歯を食いしばって、その羨ましい光景を見る。
「名前っ!……ぐはっ!」
ランスを押しのけて、抱きつこうとしてきた私を名前が反射的に蹴りつけた。重たい一撃が全身に伝わる。足は蹴ろうとは流石にしないが、いたっ……。
「ごめん、フラストレーションがあまりにも溜まったから、つい反射的に……」
「くっ……」
「……我が、助けるまでもないと思うのだが」
ランスが呆れたように私たちを見ていた。確かに、貴方は必要ないですね。大体、これは私と名前で愛を語らっているだけなのですからね。邪魔するほうが野暮というものですよ。
「名前には悪いが、意外とお似合いなのではないか……?エドガーと、名前」



「そんなわけあるかっ!!」
名前が真っ赤になりながら、叫んだ。私の耳を劈くように鼓膜を震わせた。やはり、ランスもそう思いますか!貴方の目は節穴ではないようだ!目、見えないけど。名前を後ろから覆いかぶさるように抱きしめて、顔に頬を寄せた。
「はなせーっ!!ランスううううっ!」
ランスのほうへ、必死に手を伸ばす。その手を掴んで手の甲にキスをする。羞恥からか、名前は涙目になっていた。これは中々レアですね。そそります。
「……お幸せにな。我はそろそろ退散する」
もう名前と私に干渉する気はないらしいランスがヒラヒラと手を振った。私はそれを目で見送った。さ、これから、甘い時間を共に過ごそう、名前!今日は寝かせません!泊まりを覚悟してくださいね。


  


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