わたしの彼女!



いよいよエドガーが哀れになってきた。ヒロインが辛辣すぎる。頑張れエドガーさん。でも、報われます。タブンネ。つんでれ、くーでれ読まないとさっぱりわからないよ。リンクしている。



「嫌い」やっとクーデレタイムが終わったと思ったら今度は、私に罵声を浴びせてくるようになった。今度は女王様ですか。いいですね。私たちはナイツオブクイーンです。女王の騎士ですよ。そう、貴女だけの騎士。勿論、夜も頑張れます(寧ろ夜が私の本領発揮ですよ。期待していてください)。「本当に、大嫌い」悪びれも無く言う彼女に、全身の毛があわ立つのを感じた。私にはマゾの毛はないと思っていました。しかし、ある程度予想はしていたものの、こうもきっぱりといわれると中々来るものがありますね。罵られるのも悪くないかもしれない。女王様として、崇め足を舐めたいくらいですよ。「何故ですか」



「だって、エドガーってば無節操で、本当どうしようもない人」理由なんて挙げればきりが無いわ、と嘲笑の笑みを浮かべた。頬にえくぼを浮かべる。愛らしい笑顔なのに、そこに渦巻く悪意のようなものを感じて、身震いした。「大体、私のこともあれよ。落ちないのを理由に付き纏っているんでしょう。本当、くだらないプライドなんて捨てて欲しいわ。何?私が何をしたというの?」「それは違う……。私は、貴女を愛している。彼女たちは確かに美しいけれどそれは恋ではない」私は今まで、レディに対して愛を囁いたことはない。確かに美しいレディを目では追ってしまうがそれと恋とは別物だとちゃんと、区別をしていた。この容姿を使って、遊んだこともあったけれどそんなものは名前と出会ってからきっぱりとやめたし、何より……霞んでしまったのだ。名前といて、全てが淡く溶けていってしまった。恋というのはすごいものだ。改めて恋の可能性について考えてしまう。



「はっ、やめてよ。知っているのよ、女遊びしていたこと。汚らわしい」見下したよう鼻で笑った後に私を、忌憚し、軽蔑をする。侮蔑したような冷たい瞳。蔑むような視線にまた、全身があわ立った。体の芯から冷えていくような感覚。罵詈雑言はやまない。止まることを知らない。「……っ。信じてくれなくても……結構です。でも、もうそんなことしていません。」稚拙な言葉しか出てこなくて、辛かった。辛辣な言葉を浴びせられてもいい。好きで好きで、死んでしまいそう。恋煩いに殺されてしまいそうだった。思いは口にしなければ伝わらない、だけど、言えば言うほど名前は信じてくれない。捕まえて、無理やり閉じ込めるのは不本意だ。ただ、名前と恋人になれればと思っていた。それだけだった。



「……どうせ、手に入れたら飽きて捨てるんでしょう。なら、付き合おうか?そうしようか。そうね、そのほうが私も楽になるし丁度良いわね。飽きたらいつでも言って頂戴」ひりつく喉の痛みが、引かない。からからに乾く口は砂でも食べているようだ。目頭が熱くて、そこだけが熱を帯びている。ただひたすらに辛い。なんで一番大事な人に大事な言葉は伝わらないんだろう。愛している、それだけなのに。難しい言葉じゃ、ない…はずなのに。「……何で、泣いているのよ」「……え?」ごしごしと服の裾で拭ったら服が湿った。泣いていたのか、私は。格好悪いところ見せてしまったな。と思って、涙を何度か拭ったあとに笑った。



「……ごめん、言い過ぎた」罪悪感を拭いきれないのか、名前が初めて謝罪の言葉を口にした。どんなときだって毅然としていて、凛とした女性の名前はそこには居なかった。ただ詫びて、私にハンカチを差し出した。私はそれを受け取った。「いいえ、いいのです。名前が、好きなんです。どうしたら信じてくれるんですか、貴女が言うのならば何もかもを捧げても構わない。酷いことを言われても、貴女しか」グスグス、止まらない涙に余計におろおろ狼狽える。……暫くこのまま、男泣きしていようか、と思ってしまう。いやいやいや、紳士たるものそんなものではいけない。「……エド、ガー……」



ようやく抱きしめられたことに気が付いたのは、私の視界いっぱいに広がる彼女の服の布の繊維が見えたからだった。「ごめんね、本当にエドガーの事を好きで、信じられなかったのは私の方だったんだね」そう言って名前も涙を零したのだ。ああ、彼女は私の愛情を信じられなかっただけなんだと知って、私は彼女の背に腕をまわしてきつく抱きしめた。「私は、貴女を愛しています、これからもずっと貴女の騎士でいさせてください」手の甲への口づけはまた、今度、泣いていないときにでもさせてくださいね。


  


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