年齢操作有り

本来のニオイと混ざって胸をぐるりと一周する何かが這い上がる。すんと鼻を鳴らしてみれば、俺と青峰のニオイに混ざって煙たいそれが器官を支配した。「臭いんだけど」「知るか」そんな言葉を交わしながらも俺の身体は青峰に凭れるようになったまま。青峰も何も言わないからそのままでいいんだろう。スポーツマンの癖に煙草なんて吸うとか。何回考えたか分からないそれに溜め息を吐きながらも、煙が目に沁みるからゆっくりと目を閉じる。

あれから何年経ったのだろう。無神経なこの男の傍から離れない俺は何て滑稽なんだろう。目を閉じたまま名前を呼べば、同じように名前を呼ばれる。大輝と呼べば涼太と返され、青峰と呼べば黄瀬と返される。同じシャンプーの匂いが鼻を通り、灰色の煙から放たれるニオイが身体を包むような感覚に陥った俺は、座っていたソファから立ち上がろうと目を開けた。

「何か飲む?」
「んー…今これ吸ってるしいらねえ」

口寂しいだけなのにそれを吸う意味が分からない。いつから吸い出したんだっけと思考を働かせながらも痛む腰を押さえてキッチンへと向かう。青峰から離れれば、身体を纏うような煙が無くなって少し寂しかった。


*ヘビースモーカー青峰と黄瀬

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -