まだ、駄目。もっともっと遠くへ逃げないと。イヴはまだ十にも満たない女の子なんだから、お母さん達に会わせてあげなきゃ。ああ、泣かないで、イヴ。大丈夫よ、アタシが居るわ。アタシがアンタを守ってあげる。こんな口調でも根っこは男なんだから、アンタを守るぐらい余裕、よ。あらイヴ、どうしたの?え、疲れた?…そうねえ、随分走ったし、そりゃあ疲れるに決まってるわ。キャンディーはさっきので最後だったのよ。ごめんなさいね。あら!アタシの分が無い事に罪悪感を感じる必要は無いわ。あのキャンディーがイヴに食べて欲しいって言ったの。きっと、イヴに食べてもらえたあのキャンディーは幸せ者よ。ふふ、そうね。此処を脱出したら沢山のキャンディーとマカロンを用意して食べようかしら。イヴの好きなジュースとアタシのオススメのマカロンを食べて、沢山話をしましょ!アタシが美大生、えっと、絵を描く学校に通ってるのはさっき言ったでしょ?アタシ、イヴを描きたいの。アンタにこの赤いバラが似合いすぎて、バラとイヴを絵にしたいの。…駄目かしら?え、大丈夫?ありがとう!………『その代わり、手を繋いで欲しい』?さっきまでだっこだったのがお気に召さなかったのかしら。ええ!我が儘なんて言わないわよ。でも、そうねえ…。こんな不気味で不可思議な場所に来てるんだから何が起きるか分からないし、……繋ぎましょうか!ほら、手を貸しなさい!……イヴの手は本当に小さいわね。え?アタシの手はそりゃあアンタより大きいわよ。失礼しちゃう!

「あら、イヴ、アンタって目は赤かったのね」

『そうだよ、赤なの!』

「綺麗な赤ね」

『ギャリーは紫?』

「アタシは銀灰色手前かしらね…」

『…そうなんだあ……』

あら、イヴ。アンタの手って、青かったかしら?

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -