長い旅を経たように少年は歩く。その歩き方はおぼつかない。だが言われた通り歩くしかない。此処がどこだとか。考えない。へとへとになってもどこか街に向かって、人のいる場所へ歩く。少年の目的はあの青いジンに言われた願い。金属器を探す旅に出て導かれるままにジンとその主に出会うこと。皆まで言わない理由を少年は知らなかったがそこまで気にすることもなかった。初めての外の世界はあんな窮屈な場所とは違う。それほどまでに広い世界は少年に感動を与えたのだ。





「すごく良い所だね、ウーゴくん」



そこが砂漠の真ん中でも少年は笑って笛に語りかけるのだ。彼は何も教えなかったから、自ら、友達の彼にこうして話しかける。たとえ喉が乾いても補給を知らない。だから少年には進む道しかなかった。




そこで異変に気付く。周りの鳥が、煩いのだ。喧嘩でもない。そしてこんな熱帯に小さな鳥がピィピィピィピィ、鳴り止まない。



「どうしたんだい?」



語りかけてもピィピィ。やがて集まった鳥は少年に道標を作り始める。


ここを辿れ、と。



言われるがままにまた歩く。するとさっきとは色が違う鳥がそこには多く飛んでいて。少年は目を凝らす。そこに何がいるのかを。



「…っ!」




上手く見えない。だが確かに人がそこに倒れていた。
助けなくちゃ、咄嗟に思い駆ける少年。


砂漠の真ん中で、少年の名をアラジン。倒れてる少女をリルラと言った。









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