そういえば、聖宮に飛ばされたんだっけ。無空間から頑丈な部屋に送り込まれたらしいわたしは思わず感嘆の声を漏らしたのだった。


ウーゴくんが紹介したい友達とは、マギのこと。ここ聖宮で匿っているとか。ソロモンの写し身だとか。ウーゴくんはアラジンのジンではないだとか。膨大な知識量に頭が追い付くかもわからない。気配を消しながら足を進める。アラジンて確かアラビアンナイトとかの?あ、それは猫型ロボットの劇場版だっけ。現代の知識も兼ね備えていたわたしはどうやらボケも出来るらしい。まるで自分じゃないみたい。



「…、」



奥にある部屋に差し掛かったとき子供の楽しそうな笑い声が聞こえた。ちょっとずるいかもしれないけど右目を使って光景を目の当たりにする。

青い巨人と子供。最初どっちがどっちかわからなかった。失礼だ。巨人が多分ウーゴくんで小さな少年が、アラジン。可愛い。ルフが変なのに気付いたのかウーゴくんはわたしのいる方向を見つめた。どうやら今のうちにアラジンと本体の面識を取るのはタブーらしい。

出会うのは世界に降り立ったとき。



「そろそろ行こうかな、」



いずれ崩れゆく聖宮に別れを告げ少女は光の中へ包まれていく。









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