ねえ、教えてよ。僕は一体何なのさ! どうして此処から出してくれないんだい? ならば、偉大なる貴方様にひとつ。貴方の願い事を叶えます。巨万の富も幾億の星々の支配も永遠の命でさえも思いのまま、 さあ、貴方の願い事はなんだ? 僕は いいのか、とウーゴくんは再度アラジンに確認をとる。あれほど自らの存在意義を知りたがった彼が、こんな陳腐な願いだなんて。アラジンらしいといえばそうだが。なんだかんだで満喫している。 そんなある日、ウーゴくんはアラジンにもう一人の友人を紹介する。 「アラジン。俺の友達を紹介してもいいか?」 「うんっ!ウーゴくんいっぱいいそうだよ」 「彼女はきみに極めて似ている存在だ」 「この人が…?綺麗なおねいさんだねぇ」 端にあった鏡を前に持ってきてそこにリルラの姿を写す。所謂、幻影。アラジンは食い入るように見つめた。二人目の友人が出来たのだ。 「ねぇ!この人も僕の友達になってくれるの?」 「あぁ、きっと。だからよく覚えておくんだ」 「うん!」 彼女のルフももちろん覚えた。幾日が経ったある日、ウーゴくんは彼を外へと出す。 「アラジン、此処を出る日が来たようだ」 そして小さな少年は世界へと落とされる。 → |